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エスキモーロール(5) q式CtoC風ロール

 今のところ最も教えやすいロールについて。これだと理解しやすいのかなぁ?何でなんでしょうね。


はじめに

 ちなみに全て右ロールという前提で。

 沈したら、まずセットしますよね。そうです。「普通にセット」します。練習中は最初にセットしてから沈するのでもOK。ただし、慣れてきたらセットせずに沈してからセットすることも覚えたいですね。アラレモナイ格好で沈して、水中で正しくセットできるようにしましょう。

1.普通にセットとは?

 まず、おでこがスプレースカートにつくくらいまで伏せてみます。そして手の位置は、パドルを握っている両手の親指が左側のハル(艇の底)につくようなところに。もちろん、左手が後ろ、右手が前。できるだけカヤックの底にぐっと手を伸ばします。しかしここは、あまり重要ではないのです。

 練習中の人はこの状態で沈してくださいね。

2.体を伸ばす

 沈したときに、水中で手の方を見てみましょう。手のほうを見ると、今、両手はカヤックのハルについているはずですよね?ついていなかったら、ちゃんとつけてくださいね。

 その親指と親指の間のパドルのシャフトに顔が近づくように、体をぐっと乗り出してみましょう。沈した状態では、水面のきらきらしている方へ顔を近づけるようなイメージです。

ここ重要!!

 顔を水面に近づければ近づけるほど、徐々にカヤックが傾き始めます。感じられますか?水中だった手が、顔を近づけるにつれて空中に飛び出るかもしれません。そしたら分かるかな?

 なぜか。それは、顔がついているその人間には、PFDなど浮力になるものがたくさんあるし、体や頭も浮力を持っているからです。その浮力体の塊が握ったパドル=艇の左側に近づいてくるわけですから、浮力は左側に偏ってくるのです。

 浮力体が左に偏ると、カヤックは右側が沈み、左側が浮いてきます。つまり、もう既に、ロールは始まっている!!ってことです。

 慣れてくれば、1.は省略してもいいし、これをセットと呼んでもいいでしょう。

3.手を自由にする

 左側が浮いてくるということは、顔はさらに水面に近づいてきます。急ぐ必要はありません。じっと待って、傾いてくるのが分かってからでいいです。傾いて左が浮いてきて、それが止まったら、ハルについた親指をハルから離し、水上めがけて突き出してみましょう。すると、スポンと手が出てしまうはずです!

 手が空中に出れば、水の抵抗を受けずにパドルは自由に動くことができます。これなら、手は猫手に、なんてあまり考えなくてもパドルが沈んだりしません。

 よく、ロールの教本などでは、セットして手は水上にという話はよく出てくるみたいです。でも、普通のセット、スプレースカートにおでこをつけたセットの状態では、手はなかなか水上に届かないものだと思いますよ。なので、2.で艇を十分に傾けることが重要なのです。

4.ファーストC

 水面に手が出たら、左のブレードがカヤックの底(水面より上)に出るようにする。左手はカヤックを抱きかかえるようになると言った方がいいかもしれない。むしろお尻をブレードでたたくようなイメージの方がいいかもしれない。

 どんな姿勢なんだろう?わけがわかりませんよね。絵があればいいんですけどね。それではちょっと陸上でカヤックを降りてやってみましょう。

  • 体操座りのような、カヤックに乗っている格好で地面に座ります。
  • 手にはパドルかパドルの代わりにクイックルワイパーの柄などを持っておきます。
  • 頭が左ひざの外側に来るように前屈します。2.ですね。
  • 左側のブレード(クイックルワイパーの柄ならブレードがあるはずの想像上の場所)が自分のお尻の下にくるように、右のブレードがその向こう、体の真横の遠いところに来るように持ちます。

 さて、その格好を、カヤックに乗って沈した状態で実現するわけです。可能であれば、目で右のブレードの角度を見て下さい。水面と水平が望ましいです。水平になるには右手をどれだけ回せばいいか、覚えてしまいましょう。「パドルを動かす」という意識に囚われず、パドルが上半身と一体になっていれば角度はあまり気にすることはないのですが、垂直に近いとパドルを持つ意味がなくなります。

5.不自然からの脱出

 4.の姿勢はかなり不自然です。とんでもなく不自然です。体が普段曲げない方向に曲がっています。こんな姿勢はイヤだ。まっすぐ伸ばしたい。一気に伸ばしたい。

 そうだ、伸ばそう!

 そう。今こそ変身するのです!ジョワッの掛け声とともに!

 変身するには次の6.と7.の動作を全て同時に行うのです!

6.上半身がウルトラマンになる

 4.の姿勢から、右手を伸ばし、できるだけ遠くを突く!突く先は、頭の先だ!できるだけ遠くへ伸ばせ!

 左手は、今艇を抱えるように持っているはずです。それを、右手を伸ばす方向に竹やりを突く要領でパドルとともに動かします。そのために、左の肘をしっかり曲げ、脇はしっかり締めます。ちょうど、ウルトラマン(初代)の変身の姿!上半身はこの姿勢でフィニッシュまで固定します。

 ここでジョワッといくにはまだ早い!お前の体はそんなに曲がっていていいのか!? (だんだんワルノリしてきたぞ)

7.下半身がウルトラマンになる

 4.の姿勢では、左の腰が曲がっていて、右の腰が伸びきっています。これではウルトラマンではない!ウルトラマンは体を伸ばすのだ!

 収縮した左の腰を一気に解放し、体に近づいている左足を思い切り遠くへけとばす。ようはヒップスナップと呼ばれるようなやつです。収縮した左の腰を伸ばすということは、ひっくり返ったカヤックを元に戻す動き。既に2.でカヤックは少し傾いています。そこからカヤックを起こしてやるのは実にたやすいこと!!

8.完成

 6.および7.を一気に行うと、体がジョワッの掛け声とともにまっすぐになります。パドルは水を捕らえ、頭は沈まない。パドルを動かすという感覚はなく、上半身と一体になり、左足を蹴るとカヤックが起き上がる。ウルトラマンのジョワッを思い出せ! 彼の体は伸びているはずだ!!

 カヤックに乗った状態で体が伸びるということは、スターンに頭が近づく状態です。ということは、体を伸ばすことによって、体がスターンの上に乗っているではないか! なんということだ!ロールの完成だぁぁぁぁ!

 って、絵がないとさーっぱりわからないでしょうかね。

最後に

 ここで注意して欲しいことがあります。よく、ロールに失敗したときに頭が早かったと言われますよね。なぜ頭が早いといけないのか?

 7.では、左の腰の収縮を一気に解放することによってカヤックを起こしました。以前も書きましたけど、頭を先に上げるということは、左の脇腹の筋肉を縮める、ということです。それはカヤック沈させる方向への動きであって、決してカヤックを起こす力になり得ません。カヤックの上に上がるのではなくて、カヤックを自分の下に持ってくる感覚が重要です。

 ちなみになぜ「CtoC風」かというと、さもCtoCのようにカヤックを起こすけれど、セカンドCがなく、かといってスイープするわけでもないのでスイープロールでもない。 実際は本当にヒップスナップだけで起きるようなイメージのロールだからです。

 試しに、4.のパドル操作をせずに、セットして頭を近づけた状態から7.だけを行っても起き上がることができるでしょう。頭が沈む前にカヤックを起こすことができるわけですから。

 逆に2.で頭をパドルのシャフトに近づける動作をせずに7.をやると、水面下で体がさらに沈むだけでカヤックは決して起き上がりません。自分がカヤックの下にいては、カヤックを起こすことなど無理なのです。だって、カヤックが起き上がるにはコクピットが上に行かないといけないのに、コクピットに入っているパドラーがいつまでも下にいたらカヤックはどうやっても起き上がれません。まず人間が先導して水面に近づいて、いいところに来たら、カヤックをまず起こす。どんなロールも、そういう動きになっていると思います。

 普通にCtoCやっても体の使い方がよくわからなかったり、スイープやってもパドルが沈んでいくだけだったりしてなかなかうまくいかないようですが、この方法だったら今のところ理解しやすく起きやすいようなので、ぜひ試して頂きたいと思います。ってこんなんじゃぁわけわかりませんよね。

 文字だけより、やっぱビデオが欲しいね。

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コメント

  1. mojio6000 より:

    ふむふむ・・・・・・

  2. fusai より:

    ふむふむ・・・・・・。ウルトラマンが映像として浮かびました..

  3. けんとOo。.(^。^)y-~ より:

    まだまだですね、だって文章でイメージしきれてない(^^;
    TVの前でしばらく転がっておきます(笑)

    けんとOo。.(^。^)y-~

  4. hane330 より:

    う~~~ん。
    文章にすると、こんなに長くなるんですね。
    ロールのイメージトレーニングをしようとしても、上下・左右がこんがらがってしまうのですよ。

    やっぱり、よくわかっていないんですね。

  5. quickturn. より:

    絵心があれば、絵を描きたいところですが・・・
    うぅ

    ロールのイメージトレーニングは実際にひっくり返らないとわかんないですよね~
    しかし一旦イメージをつかめると、フォワードストロークよりもカンタンになります!

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