9/13~15 夕凪島海洋トレッキング編
9/13~15は、夕凪島海洋トレッキングに参加。非常に「濃い」ツーリングで、またまたいろいろ勉強になった。またひとつシーカヤックがおもしろくなった。
それはいいけど、読む気をなくす記事になった。
1日目午前
途中で仮眠を取ったら寝すぎて集合時間ギリギリに到着した出航地。初めましての皆さんやいつもの常連さんへの挨拶もそこそこに、慌しく準備した。
毎回毎回、荷物が少なくなっている。だから忘れ物があるんじゃないかといつも心配になる。今回はさらに少なくなって、小さなシオンのハッチの中はまだガラガラだった。まだシュラフがいらない時期だからってのもあるけど、それでもタープとか持ってきてたりするし。
今回の進路についてミーティング(?)を行ったあと、いよいよ出航。今回は航路横断があるので、パドルは使い慣れたアイキロスを準備した。いや前回もあったんだけど、まだ、細いパドルじゃついていけないしダッシュが心配。皆さんは速いので使いこなせるようになりたいんだけど。
鏡のような水面、風はそよ風。潮もあまり流れていない時間で潮流のざわつきもそこそこ。とてもスムーズに瀬戸内の島々を渡っていった。
いよいよ航路横断、その前に、希望者は上陸して休憩。今回はツアー初参加のメンバーも数人いらっしゃるからと師匠の配慮。僕はそこは気付かなかった。僕がリーダーだったら、配慮に欠けていたところ。減点1。
潮流のぶつかるところで波遊びして、航路へ差し掛かる。昔は緊張していたけれど、今はもう余裕ができてきた。航路が見えるようになってきたのかも。見えるようになるといえば、例えば川のエディラインもゆるいとあまりどこかわからないけど、じっと見て実際にそこで漕いでみたりすると見えてきたりする。
こう、今まで見えなかったものが見えてくるっていうのは、どういう脳の働きなんだろう。点でしか見えなかったものがつながって線になってみたり、表面だけ見れば水面下の動きがわかるようになったり。そういうのを電気信号とかで脳にインプットできるようになれば、「経験」とかいうあいまいな言葉でしか表現できないこういう判断力やらホニャララ力とやらを瞬時に習得することができるようになるんだろうなぁ。それが面白いかどうかは別として。
話を戻して、潮流で流されながらの航路横断。流れされているかどうかを知っていなければ、待ってるつもりがいつの間にか航路のど真ん中、ってことにもなりかねない。だから、航路が見えるだけじゃなくて、自分が見えてないといけないんだねぇ~。そしてグループだったら周りの人の位置も、それぞれの人の能力も体調も知らないと、行っていい時なのかこの人はいいけどこの人はダメなのか、だから今行っていいのか悪いのか、そういう判断ができなくなるよね。むずかしい。
いろんな要素が詰まった航路横断を終えても、まだ陸まで距離がある。フェリーグライドで4km/h程度の速度しか出ていない中、えっちらおっちら汐見島のたもとまで。激潮部でちょっと遊んでからやっとキャンプ地へ到着。
1日目午後
昼食にありつきながらテントを張って、いやテントを張りながらおにぎりをパクついて、しばらく雑談。その後、ゆっくりと入り江に漕ぎ出した。
とりあえず、久しぶりなので、継続中のゆるシャフトバランス→ゆるシャフトロールから。左がまだ沈みがち。ブランクのせいか右もパドルから手の力を抜くと沈みがち。体が固くなっているようだった。
体を慣らしたところでスターンにデジカメをセット。沈→ゆるバランス→ゆるシャフトロールと、フロントシャフトとかリバーススイープを撮影してみた。撮影を終えてうまく撮れたかチェックしていると、途中でカメラの動作がおかしくなった。もしやと思っていそいでカメラのフタをチェックしてみるとパッキンにゴミ付着。すぐに電池を外し、拭き取れる部分は拭き取った。
思えばまだこの時にSDカードを使うのをやめておけばよかったのだけど、十分に乾かしたあとまだ写真も動画も見れたので完全復活と思って撮影したら「カードが異常です」そのままカードは返らぬ人となった。
午後はもうカメラをフタをあけたままテント内に放置。完全乾燥すればいいけど。でも塩分は基板の腐食の原因になるし、もうダメだろう。そういうわけで、今まで写真がないのです。残念。パッキンの清掃を怠ったのが原因。自業自得。まさかこんなことにはならないだろうと「鷹」をくくっていた。
1日目夜
夕食は白メシを炊いてレトルトのカレー。レトルトのパックを鍋に乗せて炊飯すれば水も燃料も節約できて、そして非常に簡単、米は保存食だし、とても優れている。って、まわりの皆さんが手際よく調理しているのを見て、あぁいう風にできたらいいなぁとは思うのだけど・・・。あまりに料理のセンスがないので最近はこんな感じ。次はちょっとやろうかな??
夕食後はミーティング。車座になってみんなで一日のツアーを振り返る。感じたこと、注意すべきこと、いいと思ったこと、よくないと思ったこと、反省点もあった。それぞれがそれぞれの視点で思うことを話す場、こういう時間が貴重だと思う。
その後、希望者でナイトトレッキングとして、島の「観光名所」を見に散歩に出かけた。行こうとしていた預言者のMさんは体調不良で断念され、エクストリーマーAさんは後から追いかけるとのこと。カヤックを始めて半年なのにハンドパドルロールをこなすWッキーさんとドクターと師匠と僕の4人で出発。ところが途中で雷が鳴り始め、一発はごく近いところに落ちた。その後すぐに大雨が降り始めた。今流行りのゲリラ豪雨っていうやつか。ケータイで雨雲をチェックしてみたらピンポイント爆撃。Mさんはこれを予言していたのだろうか。
Aさんが来ないなぁと心配しつつも大雨の中帰ってきたら、Aさんは後から聞いたところによると途中で待っていたがひどい雨の中帰ってこられたそうな。そんなこんなでテント場で裸でいらっしゃった。僕の方は夕食の片付けをきちんとしていなかったので、ひどいやられよう。持参したトイレットペーパーとかグチャグチャだし、カトラリーのセットもべちゃべちゃ。濡れるだけならいいが、激しい雨が叩き付け跳ね上がった砂でドロドロ。帰り着いた頃に雨がほぼ上がった。
まさかこんなに大雨が降らないだろうと「鷹」をくくっていた。干していたものには夕方パラッと来たときにタープをかぶせておいたのでよかったが、こんなことならテントの上にキチンと張っておけばよかった。会社では監査の前にマズイものを片付けるのだから、ゲリラ豪雨も事前連絡さえあればちゃんと片付けたのに。
濡れた靴下などを干し、すぐ就寝。ところが朝4時頃だったか、またひどい雨で目が覚めた。どこかフライに穴が開いているのか、それとも生地の限界を超えたのか、若干雨漏りがしていた。ま、そのまま寝たけど・・・。
2日目午前
朝は薄皮アンパン。もう雨に降られてベチャベチャなので何かを作ろうという気がなかった。しかし全部食べたら腹いっぱいだった。
少し入り江で漕いだあと、朝到着された初めましてのKさんも加わって激潮部と言われる瀬戸で潮流波を利用した実践訓練(?)へ向かった。
激潮部とはいえ、全体が波立っているわけではないようだ。あっちの方が波立ったと思えばこっちが波立ち、前日は入り口が波立っていたのにこの日は出口、波がなくなったと思えばワッと高い波が出てきたり。カルマン渦の影響か、刻一刻と変わる潮流の速度の関係か。川のように一定じゃないのがまた面白い。
海のエディの使い方、流れの中での遡上方法他いろいろをやって、まずは皆さん波立ってないところでロール。入り江でのロールはマスターしている皆さんなので、波でもいつものとおりやれば楽々のはず・・・なんだけど、やはり緊張するとうまくいかないようで。まだ波に入っていないところでdaikokuya教授が沈脱遊ばされた。
ちょうど近くにいたのでサポートさせて頂いたのだけど、この時思ったのは、ポンプはコクピット内じゃダメだってこと。以前浜田のサーフゾーンでもみくちゃになって遊んだ時に、デッキにつけておいたポンプとフロートを流したことがある。それ以来ポンプとフロートはコクピットの中に入れていた。どうせ自分で使うときは沈脱した時だからその時出せばいいや、って。ところがこれじゃ水抜きの手伝いができない。波の中では素早く排水して漕ぎ出す必要があるのに、せっかくポンプの使い手が複数いても、波の中でポンプを取り出そうとするとスプレーカバーを開けなくてはならないし、それは河童の川流れじゃなくてトンビが鷹をくくるじゃなくて、そうそう、ミイラ取りがミイラだ。今度から、グループツーリングの時はフロートはコクピット内だとしてもポンプは外かなぁ。流さない工夫もしとかないと。一人の時はコクピット内、グループの時はデッキ上、か。
それでもって、僕も波の中で師匠の指示に従って荒れた水面でいろいろやってみた。内容は内緒!
入り江で行うロールの練習は「空手の型」に似ていると思った。型の美しさを習得することも大切だけど、その型だけでは少し足りなくて、その奥にあるものを理解しとかないと実際の環境で使えるようにはならないんだろう。あるひとつの正拳突きにしても、腰の入れ方、角度、力を入れる瞬間のタイミングなど、多分いろいろあるんだろう。正拳突きだけできてもしょうがないかもしれないけど、その奥にあるいろいろ(何だろう?)を理解するために繰り返し繰り返し試して自分の体を順応させていくと同時に考えて考えて奥を理解していくってのが、「独り立ち」のプロセスなのかもなぁ。でも、「そんなに空手に興味があるんだったら黒帯なんでしょうね!」ってまた突っ込まれても困るのでほどほどにしておこうと思う。
そんなこんな考えているうちに大きな波が出てきたので乗って遊んだ。その波の写真がないのは遊びすぎたからであって・・・。バウが前の波に沈んでいっても、前のカヤックだと失速したりバウ沈したりしてたけど、今度のシオンはそのまま走っていった。外洋の周期の長い波だといいんだろうけど、瀬戸の潮流波は周期が短くて、波を追い越して前の波に乗り上げて失速するということが多々あった。スピードが出過ぎないようにコントロールすれば、結構長く乗れるみたい。そんな夢中になってると皆さんと離れてしまい、慌てて戻った。
2日目午後
戻ったら、マルキヌさんとtanakaさんがいらっしゃっていた。どうやら瀬戸で行き違いになった様子。日帰りのtanakaさんはすぐに帰られた。往復って結構な距離。お気をつけて!と見送った。
前回クルーガーさんに頂いた非常食缶詰で昼食。暖めるだけなので簡単ポン。2食分を1食で食べてしまった。かなり腹いっぱい。その後だったっけ、初めましてのKさんが漕いでこられた。お忙しい方のようで、すぐに帰られてしまった。
午後の練習では、苦手な左サイドのバックスイープロールを集中的にやった。あっさりできるだろうと「鷹」をくくっていたのだけど、全くできやせん。右やって左やって右やって左やって・・・。右もなんか重いし。完全脱力までは程遠い。左を岸で手をついて繰りかえし繰り返しやってみた。
すると師匠が見ていたようで、一言アドバイスを下さった。やってみた。めっちゃ楽。いや、これ以前にも教えて頂いたんだけど、忘れていた・・・。こういう何かを忘れる状態がスランプなんだろうなぁ・・・。あっけなくできるようになった。
「教え方うまいやろ」「本当ですね!まるで先生みたいです!」「シーカヤックスクールでも開こうかなぁ」なんて笑った。いやぁ、ホント、それから左もハーフロールがすぐできるようになって、もうちょっと練習したらフルロールでできるようになった。あと1000回くらいやったら軽々ボッチンでいけるでしょうか!?
2日目夜
夕食前に念のためテントの上にタープを張っておいた。これで雨の騒音からも雨漏りからも睡眠をジャマされることなく眠れるだろう。結局降らなかったけど。
早めに米を水につけてから師匠に冷たいビールをご馳走になり、夜の宴の始まり。晩のメニューはカレー。またかよ。またです。
月がきれいに海面を照らしていた。とても明るい。OさんとAさんと、いかにきれいに撮れるか競争したりした。
大潮は満月か新月だってことは前から知ってたけど、満月の満潮と新月の満潮が違うだなんてシーカヤックを始めるまで知らなかった。月っておもしろい。引力って面白い。
食事がひと段落ついたところで夜のミーティング。座ったり横になったりして、この日一日のできごとから発展させていろいろな視点で意見を交わす。気付かなかった視点、プラスワンポイントなどあって、勉強になる。誰かが一方的に講演するんじゃなくて、やりとりする中で発展していくのがまたおもしろい。そしてたまに(しばしば)脱線するのもおもしろい。
「わりぃこはいねぇがぁ~」香川支部長の迫真の演技というかいつもの支部長が演技なんじゃないかっていうくらいなまはげ化していた。その後、Wッキーさんになまはげリクエストが来た。Wッキーさんは最初は「いやいや」なんておっしゃってたが、いざかぶると豹変!このギャップもおもしろすぎた!
そしてお楽しみは、コンテストでトップの成績を収められたハーモニシストマルキヌさんのハーモニカ演奏!ここちよいメロディと超舌テクニックで全員うなった。あんな小さな楽器で、伴奏付の曲が演奏できてしまうなんて。感動。こういうのを目の当たりにするとやってみたくなるのだが・・・。これ以上趣味を増やすと全てが崩壊してしまう。会社が週休6日になったら考えよう。
さらにその後、再びナイトトレックに。1日目の夜のメンバーに加え、1日目に参加できなかった預言者MさんとエクストリーマーAさんを加えて出発。素敵な夜景も見えて大満足。帰りはAさんの富士山からの滑降や骨折・脱臼などの武勇伝をいろいろ伺った。でもリバーカヤックは怖いそうな。人それぞれ、おもしろい。
帰ってから、まだ宴が続いている輪に入った。Oさんのパラグライダーの経験から来る風読みの正確さ。そういえば夕食時に伺った預言者Mさんのここでは書けないいろいろなお話もおもしろかった。あまり話せなかった方々もたくさんいらっしゃるけれど、そうやって考えると、僕の引き出しの少なさにガックリする。皆さん、人生の達人揃い。おもしろい。本当におもしろい。
お開きになってから、片付けの遅い僕は翌日の早い出発に向けてちょっと片付けた。
3日目午前
朝はケータイ目覚ましに気付かず30分寝過ごした。焦ったが頑張って片付けて、何とか間に合った。
風は4m/sほど。多少波立ってはいるが凪の範疇。曇ってはいるが漕ぎやすい。逆潮だけどそれを利用してすいすい進んだ。
今度は往路とは違うコース。航路横断の手前で休憩。砂浜では何やら見慣れぬ集団がいた。なぜこんなところにこれだけの人がいるのか?
波が打ち寄せる砂浜では、各自が上陸練習。ここでもいろいろ勉強になった。
どうやらドラマの撮影のようだった。おそらく役者はこの少年少女。そしてそれを取り巻くスタッフの多いこと多いこと・・・。
休憩後は航路横断。でも拍子抜けするほどグッドタイミング。大型船が全く来ない航路を横断した。ちょっと、物足りない気分。航路横断の練習にならないからね。
この頃雨が降ってきた。少し肌寒い感じ。もう夏は終わっているんだなぁ。航路を横断したところの島で上陸。店があるらしいということでついていったらなんと閉店。残念。非常に残念。
移動中の昼食はカンタンな行動食で済ませることにしている。ガス出すと面倒だから・・・という理由。でも皆さんしっかり調理されている。僕は行動食なのであっさり終了してボケーっとしていると師匠からいろいろたくさん頂いた。2日目に一瞬いらっしゃったKさんからのリンゴもうまかった。
3日目午後
そこからは潮流に乗ってすいすい。ところどころの潮流波で遊びながら漕いでった。雨の中肌寒いけど、手を水につけるとあったかい。海水温の方が高い様子。
打ち上げられたゴミの山。あまりに大量にあるのだけど、これは一体・・・。ここで燃やすわけにもいかないだろうし。一生残るんだろうか。僕が持って帰ればいいの?
島を伝って渡って辿りついた浜で休憩。ツアー初参加のメンバーがいるからとの師匠の配慮だけど、僕もとってもありがたい。
そんなこんなでやっとゴール。この記事もやっとゴール。もはや個人的恒例行事だけど、毎回新鮮な感動がある。こりゃ川メンバーには申し訳ないけど来年も参加しなきゃと思う。
思えば数年前にこのツアーに初参加したときは、初めての航路横断や強い潮流でドキドキの連続だった。島についたときはクタクタでたまらんかった。そう思うと、やっぱりちょっとずつは成長しているもんだ。
本当に本当に、お疲れ様でした&ありがとうございました。
コメント
いやぁ~、お疲れさまでした。僕ちんが先に書くと後からの方が書きにくくなるので、少なめにしておきますが、読むともう一回行って来たような気持ちになるから、凄い。最大漏らさず、そして「慣用表現」も「正しく」使用して頂き、腹を抱えて笑いながら読みました。きっとあの表現を使ってくれるだろうと「鷹を括っていました。」ミィーティングの時の写真、綺麗ですね!有り難うございました。
楽しい、いいツアーでした。ありがとうございました。
写真がないと、文字で埋めるしかないなぁと思ってたらとんでもないことになって、いつも書いてから読み直すんですけど嫌になりました。こんなことにはならないだろうと「鷹」をくくっていたのですが・・・。
いつもなら写真を並べてコメントをつけていくだけなのですが、たまにはこういうのもいいですね!多分参加者でない人は最後まで読んでられないと思いますが!?
また近いうちに寄らせて頂きます。
ありがとうございました。