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温井ダム 住民サイドの対応を

中国新聞 社説 '05/10/10
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200510100060.html
 国土交通省中国地方整備局は「操作規則に従い、放流した。ピーク時には毎秒五百八十トンがダムに流入しており、結果的に毎秒百八十トンの水量を食い止めた治水効果は大きい」と説明する。事前放流しなかったのは「利水用として常に一定量を確保しなければならない」というわけだ。

 温井ダムのことはウォッチしてなかったけれど、やっぱり「治水効果はあった」で済ましている。効果があって当然。そのためのダムだろうに。データを示して、納得のいく説明をすればいいだけのこと。毎秒400トンを本当に流す必要があったのか。流さなかったら、ダムはあとどのくらい水を貯えられたのか。流した結果、下流域の水位がどのくらい変わったのか。毎秒400トンという放流量が、太田川本流の水位にどのくらい影響があったか。ダムがなかったらどれくらい被害が大きくなったか。流入量を全て貯えたら、浸水家屋が何戸減ったか。データを並べて説明すればよい。自然を壊してまで人間を守るために作ったダムなんだから、これだけの効果がありましたって自信を持って発表すればいい。毎秒400トンってささいな放流量なんです、毎秒400トン流したってちっとも水位が変わらなかったんですって言えばいい。それができないんだったら、やっぱり無駄なもん作ってしまったんじゃないかとしか思えない。

 その六時間前までは毎秒十トン余りの放流だった。洪水調節用として貯水には余力があったのに、なぜピーク時に大量放流したのか。豪雨に備え、なぜ事前に少しずつ放流しなかったのか。被災者が疑問視するのは当然だろう。

 任意期間ダム諸量検索結果を見ると、最大流入量毎秒580トンを迎えるピーク時の前に既に96%以上も貯水しているし、これでは580トンのうち180トンしか貯められないわけだ。そんなことになってるから洪水調節もその程度しかできないわけで、これでは事前放流をって言われても仕方がない。データをよく見ると、多少は事前放水をしているようだ。でも、あっという間に貯まってしまった。やはり、もっともっと事前に貯水量を減らしていれば、毎秒400トンを流す必要もなかったんでは?素人目には、そうとしか見えないのだけど、利水のためなら仕方がないっていうんでしょうね。あ、いや、毎秒400トンを流したところで微々たるもんでしたかね。ていうか、ダムがなくて毎秒580トンが流れてたら大災害になったけど、毎秒400トンで済んでよかったね、大した被害でなかったしね、ダムの効果があったね、って言われても、納得できないでしょ。納得できるように説明したらいいのに。事前放水して雨が降らなかったらどうするの、渇水になったらそれで文句いうんでしょ、利水のためには仕方がない、治水と利水は両立しないんだ、っていうのであれば、いつもからっぽの治水目的だけのダムをもう一個作らないと、みんな納得しないんでは?

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