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菅野ダム-利水と治水は両立しない

 今回の記事は、ダムの利水と治水は両立しない、計画中の平瀬ダムは治水効果がないということを認めているわけです。ということは、今計画中・建設中の多目的ダムのうち、利水と治水を目的としているダムは、全て計画を見直すべきではないでしょうか。

 「はんらんは、錦川支流の宇佐川や本郷川の増水が大きく、放流は影響がないはず」、確かに宇佐川やその他の支流の上流部での降水量は非常に多かったようですので、記事にあるとおりダムが放水する前から浸水が始まっていたのかもしれません。では、ダムが放水しなかった場合と今回の場合とで、南桑地区への流入量がどれだけ違い、水位はどれだけ違っていたのでしょうか。ダムが放水しなかったとしても、岩国市内への氾濫は少しも抑えられなかったのでしょうか。浸水被害は一戸も減らなかったのでしょうか。それを語らずに、「放流は影響がないはず」と言える根拠って一体何でしょうか。また、菅野ダムの放流が影響を与えない程度であれば、平瀬ダムを作ったところで、洪水を防ぐには全く効果がないということではないでしょうか。

 記事によると総貯水量は91,000,000m395,000,000m3というデータもあるが、前者ということにして、6日午前の57,000,000m3からは34,000,000m3の貯水容量があったということですよね。今回の最大流入量1,197m3が継続的に流入し続けたとしても、およそ8時間弱は放水せずに貯めることができたわけです。実際は平均すると(どこからどこまでを平均するかにもよりますが)半分以下なので、放水せずとも耐えられたはずでは?と考えるのはおかしいでしょうか。素人の浅はかな考えでしょうか。

 さらに、菅野ダムの放水は、満潮と台風の最接近、下流域のダムの放流とも重なっていたようです。これらのことを軽視せず、山口県は責任を持って被災者全員が納得のいく回答をしてもらいたいと思います。

asahi.com : マイタウン山口 - 朝日新聞地域情報
菅野ダム「事前放流を」/台風14号浸水被害

http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news01.asp?kiji=5879

 台風14号で深刻な浸水被害を受けた岩国市で、氾濫(はんらん)した錦川の上流にある菅野ダムの放流方法に不満の声が出ている。「治水」を優先する下流域の自治体などは、ダムの放流と大雨が重なるのを防ぐため、台風接近前の放流を要望。これに対し、同ダムを管理する県は、一定量の貯水が必要な「利水」とのバランスを重視して難色を示す。双方の調整は今後の課題だ。

 岩国市で浸水被害が出た地域の大半には、市の避難勧告・指示が出なかった。「最初の被害情報が入った段階で既に浸水していた。早過ぎて手の打ちようがなかった」と市の担当者。避難できず、自宅2階で耐えた住民も多かったという。

 6日の同市の総雨量は観測史上最高を記録したが、市や市議会には「ダムの放流方法に問題があったのでは」という住民の声が寄せられている。

要望採択の矢先

 昨年8月の台風16号で、錦川の一部水位は危険水位(6・4メートル)まで0・7メートルと上昇した。流域の同市や美川町は同ダムの放流方法を見直すよう県に要請。流域で大雨が予想される場合は事前に放流するよう求めた。今年8月の県市長会では要望書として採択。そこで「県の姿勢は治水(防災)よりも利水を優先している」と批判した。

 県河川開発課の担当者は「検討が必要だが、難しい問題だ」と話す。同ダムは雨水をためて洪水を防ぐ「治水」と、工業用水や発電用の「利水」を兼ねた多目的ダム。一方の治水だけを優先する事前放流は難しいという。「予想通り大雨が降れば事前に放流しても問題ないが、予想が外れると渇水が進んでしまう」

流入過去最大に

 6日夜、大雨に伴い同ダムへ流入量は激増。放流の目安として県が定めた流入量(毎秒310立方メートル)に達したため、午後7時に毎秒19立方メートルを放流し始めた。午後10時17分の流入量は、66年の使用開始以来最大の毎秒約1197立方メートルを記録。放流量は徐々に増やし、同11時半ごろには最大の同約492立方メートルに達した。ただ、同8時ごろに流域で浸水被害が出始めたため、放流量は抑えていたという。

 「放流のせいで浸水したという声もあるが、放流量は川全体の流入量の約4分の1に過ぎず、影響は小さい」と同課。被害の大きい美川町の南桑や岩国市の臥竜橋に放流水が到達するには3~6時間かかり、最初の放流水が到達する前に浸水は始まっていたという。

国直轄では試行

 一方、国土交通省は昨年相次いだ台風の豪雨災害を受けて、対策を講じ始めた。昨年12月、専門家らを集めた豪雨災害対策総合政策委員会は「ダムの事前放流を検討すべき」と提言。同省は国直轄の全ダムで検討を始め、地方自治体にも一定規模以上のダムで検討するよう指針を示した。

 台風が相次いだ今夏、全国の国直轄ダムでは事前放流が試されたが、地方自治体管理のダムでは行われていないという。同省河川局流水管理室の岡村幸弘室長は「雨が必ず降る確証がない限り、事前放流は難しい。利水者に理解を得るのも困難だ」と話している。

中国新聞地域ニュース
山口県の菅野ダム放流に疑問の声

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200509150067.html

 ▽台風14号で錦川はんらん 住民「県は運用の検討を」

 「台風が近づく前にダムの水を放流できなかったのか」。台風14号による増水で錦川がはんらんし、大きな被害を受けた山口県美川町で、被災者から上流の菅野ダム(周南市)の放流方法に疑問の声が上がっている。ダムを管理する県は「放流ピーク時の水が町に達したのは水が引いた後」としながらも、住民の声を受けて放流方法の検討の必要性を認めた。

 同町の錦川沿いの地区では、六日午後八時ごろから浸水が始まり、翌七日午前二時ごろまで続いた。住民によると、水位のピークは六日午後十一時ごろだったという。

 ダムを管理する県河川開発課によると、放流を始めたのは六日午後七時すぎ。最初は毎秒二十立方メートルと少量だった。ピークは七日午前零時ごろで、毎秒四百六十立方メートルだったという。

 同課の推定では、放流した水が美川町に達するには四時間が必要。放流ピーク時の水が町に達したのは、水が引いた七日午前四時ごろという。同課の久保田昇助主幹(55)は「はんらんは、錦川支流の宇佐川や本郷川の増水が大きく、放流は影響がないはず」と説明。放流量も絞ったという。

 ダムの貯水可能量は約九千百万立方メートル。増水前の六日午前中には、五千七百万立方メートルの水があった。このため、住民は「増水前に放流し、貯水量を減らせなかったのか」と疑問を投げかける。浸水被害の度に、町が文書などで事前放流を申し入れてきた経緯もあり、不満を募らせる。

 これに対し、県はダムごとに定められた操作規則を基に、事前放流の難しさを強調する。貯水量の約七割に当たる七千四百万立方メートルが、周南地域の工業用水や水道水に割り当てられているのが理由。「水の保有権は水道事業者らにあり、七千四百万立方メートル以下の貯水量では放流できない」というわけだ。

 最も深刻な被害を受けた南桑中地区の自治会長片山原司さん(54)は「死者が出てもおかしくない状況だった。ダムの運用について、県の詳しい説明を聞きたい」と要望。町北部にある自宅が床上浸水した、町議会の藤井禎議長(53)は「人命にかかわる問題。緊急時の運用を工夫してほしい」と訴える。

 久保田主幹は「渇水への備えも重要で難しい問題だが、増水時の扱いには検討の必要はある。放流通告の方法も考えたい」としている。

KRY News & Weather
9月15日のニュース
菅野ダム 事前放流は

http://www.kry.co.jp/news/index.htm

 こちらは映像のニュースです。


参考

■台風14号降雨における県内ダムの洪水調節効果について
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/gyosei/koho/houdou/200509/002422.htm

■山口県/菅野ダムの紹介
http://www.pref.yamaguchi.jp/gyosei/kasen-k/sugano.htm

■山口県/河川開発課/主要管理ダム利水貯水状況
http://www.pref.yamaguchi.jp/gyosei/kasen-k/mizu.htm

■平瀬ダムの紹介
http://www.pref.yamaguchi.jp/gyosei/kasen-k/hirase-img/hirase-home.htm

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