「 錦川氾濫 」一覧

0906

 あれから2年ですか。早いですね。昔の記事を読み直してみたりしました。

 台風来てすぐはくろさんに連絡取れなくて、心配してました。でもちっちパパに連絡が取れて(電話番号聞いててよかった)、河原に薪が集まったでしょうなんて暢気なこと言ってました。でも行ってみてビックリ。来ちゃいけないところに来た・・・って思いました。

 台風で運ばれた大量の土砂が大工事によって取り除かれ、まったいらになってジュクジュクしてキャンプしにくかった南桑の河原。でも、今では以前と同じような感じに戻りました。自然の力ってすごいんですね。

 橋の裏側にひっかかっている木は、2年間動かずずっと残ったままです。

続きを読む

9/7

堆積
一年経ちました。
昔の記事いくつかちょっと覗いてみました。

台風接近控え周南のダム事前放流

中国新聞地域ニュース '06/8/19

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200608190105.html

 山口県は十八日、台風10号の接近に伴い、錦川上流に位置する菅野ダム(周南市)の貯水量を下げる事前放流を実施した。昨年九月の台風14号の洪水被害を教訓に、初めて放流した。

 流域の放送では、午前7時半から放流開始というアナウンスでした。朝8時頃南桑にパトロールの車がまわり、そして南桑では午後9時過ぎにサイレンを鳴らしていました。

続きを読む

10/30の南桑

南桑の河原


南桑の河原
9/11と10/30の南桑の河原の比較。
ちょっと整地しすぎな気もするが。
もうすぐキャンプできそう。

台風被害で事前放流要望 岩国

中国新聞・地域ニュース '05/10/25
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200510250104.html
 委員は「ダムの放流が被害を大きくしたのではないか」と指摘。県は、「放流ゲートは堤体上部にあるため、貯水率が約八割になるまで放流できない」としたうえで、「ゲートより下にある放水量毎秒約二一トンの発電用放水口の利用を検討している」と説明した。

 事前放水に対して前向きで、事前放水で一体どれだけの効果があるかということは別として、市民の声を聞いてくれているという点で評価に値するだろう。

 委員側は周南、下松市の工場向けの送水管の活用も提案。「周南地域の川へも放流し、錦川の増水を抑えてほしい」と求めた。
 この送水管からは、毎秒約五・三トンの放流が可能。非常時には、周南市の東川への放流ができるという。山口県の担当者は「企業局と相談したい」と答えた。

 今回の水害ではMAXで毎秒492トンの放水が行われた。発電用21トンと工場向け送水管5.3トン、合計毎秒26トンの放水では、18倍の時間がかかる。

 例えば平均毎秒100トンを8時間放水し続ける必要があるような降水を想定した場合、それを全て貯めようと思えば事前に30時間放水し続けておく必要がある。そんな事前には、これだけの降水を予測することは不可能だろう。

 実際にはダムへの流入ピークを外して放水することができればよいので、全てを貯める必要もない。うまく使えるかどうかわからない事前放水手法とは別に、放水タイミングの検証を進めてほしい。

 また、県は今回のダム放流による錦川の水位について「下流の岩国市の臥竜橋地点で約二十二センチ上昇したと推測できる」とした。

 臥竜橋って180mくらいあるようだけど、それで22cmってことは、川幅60m程度の南桑では、3倍の66cmは水位があがるのではないか。もちろん流れる速さや地形など様々な要因が関係して、単純に反比例というわけではないだろうけれど。

 臥竜橋ばかりでなく、被害の大きかった南桑ではどうだったかも情報として必要だろう。一体どれだけ影響があったのか。60cm水位が下がったら、被害はどれだけ抑えられていたのだろう。

 次は、下流域の(菅野ダムによらない)洪水のピークと、菅野ダム・生見川ダムなどの最大放水の到達時間を検証して、さらに前向きな検討を進めて欲しいと願う。

浸水時の放流状況説明 菅野ダム

中国新聞地域ニュース '05/10/16
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200510160067.html
 「ダムが無かった場合は美川町南桑で水位が、さらに一メートルは高くなっていた」とするグラフを示し、ダム効果への理解を求めた。

 被災者が聞きたいのは、ダムの効果はあった、という回答ではなくて、せっかくダムがあるのにもっと治水に活用できるんじゃないか?もっと被害を抑えられたのでは?ということではないかと思う。だから、事前放流を求める形になるわけで。

 災害を抑える方法は、事前放流が全てではないはず。もっと他にできることはないのか。もう思考が停止してないか。効果があったんだからいいじゃないかという言い訳よりも、「事前放流なんかよりもっといい方法が見つかりました!」「こうすれば、あと30cmは水位を抑えられます!」などという前向きな提案をして欲しいと思う。

温井ダム 住民サイドの対応を

中国新聞 社説 '05/10/10
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200510100060.html
 国土交通省中国地方整備局は「操作規則に従い、放流した。ピーク時には毎秒五百八十トンがダムに流入しており、結果的に毎秒百八十トンの水量を食い止めた治水効果は大きい」と説明する。事前放流しなかったのは「利水用として常に一定量を確保しなければならない」というわけだ。

 温井ダムのことはウォッチしてなかったけれど、やっぱり「治水効果はあった」で済ましている。効果があって当然。そのためのダムだろうに。データを示して、納得のいく説明をすればいいだけのこと。毎秒400トンを本当に流す必要があったのか。流さなかったら、ダムはあとどのくらい水を貯えられたのか。流した結果、下流域の水位がどのくらい変わったのか。毎秒400トンという放流量が、太田川本流の水位にどのくらい影響があったか。ダムがなかったらどれくらい被害が大きくなったか。流入量を全て貯えたら、浸水家屋が何戸減ったか。データを並べて説明すればよい。自然を壊してまで人間を守るために作ったダムなんだから、これだけの効果がありましたって自信を持って発表すればいい。毎秒400トンってささいな放流量なんです、毎秒400トン流したってちっとも水位が変わらなかったんですって言えばいい。それができないんだったら、やっぱり無駄なもん作ってしまったんじゃないかとしか思えない。

 その六時間前までは毎秒十トン余りの放流だった。洪水調節用として貯水には余力があったのに、なぜピーク時に大量放流したのか。豪雨に備え、なぜ事前に少しずつ放流しなかったのか。被災者が疑問視するのは当然だろう。

 任意期間ダム諸量検索結果を見ると、最大流入量毎秒580トンを迎えるピーク時の前に既に96%以上も貯水しているし、これでは580トンのうち180トンしか貯められないわけだ。そんなことになってるから洪水調節もその程度しかできないわけで、これでは事前放流をって言われても仕方がない。データをよく見ると、多少は事前放水をしているようだ。でも、あっという間に貯まってしまった。やはり、もっともっと事前に貯水量を減らしていれば、毎秒400トンを流す必要もなかったんでは?素人目には、そうとしか見えないのだけど、利水のためなら仕方がないっていうんでしょうね。あ、いや、毎秒400トンを流したところで微々たるもんでしたかね。ていうか、ダムがなくて毎秒580トンが流れてたら大災害になったけど、毎秒400トンで済んでよかったね、大した被害でなかったしね、ダムの効果があったね、って言われても、納得できないでしょ。納得できるように説明したらいいのに。事前放水して雨が降らなかったらどうするの、渇水になったらそれで文句いうんでしょ、利水のためには仕方がない、治水と利水は両立しないんだ、っていうのであれば、いつもからっぽの治水目的だけのダムをもう一個作らないと、みんな納得しないんでは?

台風14号で変わった錦川2

根笠の瀬

 10/9の夕方に、錦川を見てみました。いつものカメラが修理中で、30万画素の古いカメラで撮影していますので、画質がよくないですが、とりあえず。以前確認したときの内容も合わせてご覧ください。

南桑水位1.15mとかなり水が少ない状態ですが、根笠のウェーブのあったところは土砂で埋まったのか流れが変わっています。岩にぶつかるような状態です。

根笠の瀬 ちょっと下に多少ウェーブがありますが、水量が多くても乗れないでしょう。

南桑の河原 南桑のウッドビレッジ前の河原は目下工事中。ダンプが何台も河原に下りて大量の土砂を運び出していました。キャンプできるのはまだまだ先です。

南桑の河原下 南桑のウッドビレッジ前の河原の下流の瀬。南桑水位1.15mとかなり水が少ないのですが、ご覧の通り干からびています。右岸側の流れは完全に切れています。

椋野の橋の下 椋野の橋の下。以前見たときは橋脚の下流に中洲ができていましたが、写真のように掘ってあって、右岸側へ積まれていました。

小郷の河原 小郷の河原(日本一の自動販売機の下の河原)は泥で埋まっています。以前のような玉砂利の河原に戻るのはいつでしょうか。

日本一自販機 日本一の自動販売機。今では、自動販売機が全て外に出されています。日本一自動販売機が壊れた場所になってしまいました。

日本一自販機の新しい自販機 でも、新しい自販機が4台導入され、うち3台が稼動していました。最近の学校ではゴミ箱がなかったら缶をそこに置いていくように教えているのでしょうか。この光景を見ても、ゴミを持ち帰ろうという気は起きないのでしょうか。これだけひどい状態になったのに、缶拾いまで強いるのでしょうか。ちなみに、ここのトイレは使用できません。

すぎやま食堂下の河原 すぎやま食堂下の河原(通称道の駅風キャンプ場)はボロボロ。河原に下りるスロープは砂が堆積してスタック必至。上の駐車場も堆積した砂がとり除かれるに至っていません。現状、残念ながら、まだまだキャンプには適さないようです。

北河内の橋の下 北河内の橋の下。やなを過ぎてすぐ、流れが橋脚に当たるようになっています。水量が少ないと特に問題なさそう。水量が多いときには注意が必要。やなには、右岸側にわかりやすい船通しもついています。

沈下橋下流から 細利沈下橋。橋脚に大量のゴミがひっかかっており、通れる幅が非常に狭くなっています。艇をうまくコントロールできないと危険です。

沈下橋上流から 上流から見るとこのとおり。

台風14号1カ月、完全復旧は遠く

中国新聞地域ニュース '05/10/7
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200510070006.html

 台風14号から一ヶ月。台風後、初めて南桑に入ったときの心臓の高鳴りは今でも忘れられません。粉塵が舞い、泥に塗れ、自衛隊が多く入っていて、とても言葉には表せない雰囲気の中、私みたいな部外者がいくら手伝いとはいえここに来てはいけなかったんじゃないか、とさえ思いました。その光景を目にして、台風の翌日に「薪がたくさん流れて来たんでしょうね」なんて南桑の人に電話して話してたことを後悔していました。

 こうした中、行政による対策が本格化しつつある。岩国市は災害対策費として、七日の市議会臨時会で約十二億五千万円の一般会計補正予算案を提案。十二月の市議会定例会でも追加提案する予定で「総額二十億円を見込む」(総務部)という。

 岩国市の災害対策費が総額20億円。小泉総理の鶴の一声で必要になった選挙費用は770億円。この国は一体どうなっているんでしょうか。

 県は九月二十九日から、美川町内の二カ所で錦川のしゅんせつ工事を始めた。堆(たい)積(せき)した土砂計約三万立方メートルを約一カ月かけて取り除く予定で、河床の掘り下げも検討している。

 堆積した土砂が約三万立方メートルですか・・・。あの南桑の河原もその一部でしょうが、そんな量の土砂、一体どこから流れてきたんでしょうね。菅野ダムの底にたまってたんでしょうかね、と穿った見方をしてしまいますが。

 そんな工事、約1ヶ月かかるそうで、一箇所に1ヶ月かけるかどうかはわかりませんが、そんな状態ではまだまだ河原でのキャンプは以ての外、川床を掘り下げるとなるとまた流れが変わるうえに工事中はダウンリバーは危険です。これからいい季節ですが、錦川ダウンリバーをご検討中の方は、十分にご注意ください。

 川底を掘り下げ、護岸ができると、錦川もだんだん汚れていくでしょう。悲しいけれど、人間は暴れる者から自分の身を守るには、傷つけることでしか解決することができないのでしょう。

9月定例会代表質問・豪雨治水対策の確立を

TYS NEWS CATCH '05/09/26
http://www.tys.co.jp/news/20050926.html

9月定例県議会はきょう代表質問が行われました。台風14号の大雨による被害を受けて二井知事は総合的な治水対策を確立しなければならないとの考えを示しました。9月定例県議会の代表質問で自民党の森中克彦県議は台風による被害を踏まえて今後の県の防災対策について質しました。=二井知事「今後もこのような豪雨が多発することも念頭において長期的、短期的両面からの総合的な治水対策をあらためて確立しなければならないと考えております」=二井知事はこう述べ、学識経験者でつくる県河川委員会でダムや河川の改修を検討し、優先度の高いところから整備したいとしました。また氾らんで大きな被害をもたらした錦川については、モデルケースとして県河川委員会で洪水の発生状況を検証し、対策を検討していくとしています。このほか、きょうの代表質問では警察署の再編整備について質疑がありました。篠宮県警察本部長は来年度に周南地区と下関地区の警察署の再編整備を検討していることを明らかにしました。周南地区では周南西署、また下関地区では下関水上署の再編が検討されています。

 治水という名のもとに護岸工事され、川で遊べる環境がどんどん減っていく。今回の錦川流域の洪水の原因とされている宇佐川などダムのない河川にも、でかいダムが作られていくのだろう。所詮、遊びは遊び、川は壊せば壊すほど金が降ってくるわけで。

 錦川流域の人たちは、自然のままの清流であることと、コンクリートに囲まれて、少々川が汚れても洪水が起こらなくなることと、どちらを望むんだろう。いつまでも清流錦川であり続けるために、護岸やダムをこれ以上増やさないで欲しいと思うのは、そこに住んでいないから言えることなのか。

 しかしまずは、あの忌々しき台風14号の豪雨で、菅野ダムをどのようにコントロールしても浸水家屋を減らすことは本当にできなかったのかをしっかり検証してほしい。放流方法は適切だったと言い張るばかりでなく、今の「適切」よりもっと適切な方法がなかったか、あの状況で水位を1cmでも下げる方法が本当になかったか、あらゆる可能性をシミュレーションしてほしい。ダムを作る金がポンと出るなら、そのくらいの微々たる額は出せないはずがない。

 そこに住んでいない私らができることといえば、台風がデカくならないように地球温暖化を防止すること。そして、平瀬ダムに沈む木谷峡で、今のうちにたくさん遊ぶこと。つまり、夏の暑い日は家に閉じこもってエアコンをつけたりせずに、外へ出て、木谷峡・錦川で遊ぶということか。

1 2 3 4 5