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冠水被害・岩国市会全協でダムの放水質疑

TYS NEWS CATCH '05/09/21
冠水被害・岩国市会全協でダムの放水質疑

http://www.tys.co.jp/news/20050921.html

台風で冠水の被害を受けた岩国市で市議会全員協議会です。冠水の原因となった錦川の氾らんと、上流にある県営菅野ダムからの放流の影響を調べるため県の担当者から状況を聞きました。岩国市議会の全員協議会では県の土木建築部や菅野ダムの担当者らが台風の時の対応や状況を説明しました。岩国市では台風14号で錦川が増水し郊外の藤河と多田地区を中心に1,299世帯が床上浸水するなど大きな被害が出ました。錦川が増水した影響の原因として菅野ダムの放流も影響したのではとの意見も出たことから全員協議会が開かれました。協議会で市議は大量の雨は予測できたはずで治水に対する考えが甘いのではないかと県の姿勢を質しました。これに対し県の担当者は台風の前は菅野ダムの水面が放水口より下にあり事前放流はできなかったとしました。また過去最大の雨量をため込み放流を抑えたことでダムの調整効果は果たしたとの考えを示しました。岩国市議会では災害復旧対策特別委員会を設置し、今後の対策を検討するとしています。

 いろんな意見を見て聞いて、個人的なダムに対する考え方は多少変わって来た。確かに、データを見る限り調整効果はあったと思うし、ダムがなければもっとひどいことになっていたかもしれない。ただ、放流タイミングが適切だったか、そのタイミングで放流する必要があったかについて述べて欲しい。そのタイミングで放水しなければ、家屋の浸水も防げたケースがたくさんあるのではないか。既に洪水が始まっていたから放水しても問題なかっただとか、そんなことを言ってるうちは効果を信じたくても信じられない。

 さらに、平瀬ダムがあったとして、今回のようなケースで洪水は防げたのか、検証してほしい。知事が言うように、洪水の原因がダムの放流ではなく、宇佐川など他の支流の増水だというならば、平瀬ダムがあったとしても洪水は防げなかったのだ。それならば、治水効果のない平瀬ダムに多額の税金を使う必要はない。そんな金があったら、今の被災者の復興資金にまわして欲しい。こういう中途半端なことばっかり言っているから、税金を使うためにダムを作っているように思われるのだ。納得のいく説明をして、理論的に効果の証明をしてほしい。

台風14号で変わった錦川

 台風14号による増水により、錦川の流れは各所で変わっています。道路から見える範囲で気づいたポイントのみですが、書いていきます。まだ実際に下ってみたわけではありません。川底には何が沈んでいるかわかりませんし、その他もたくさん変化があると思います。カヌー・カヤックでダウンリバーをする際には、下ったことのある方でも、スローロープなどの装備は万全にし、瀬の前にはスカウンティング(下見)を行って、十分に注意して事故のないようにダウンリバーを行ってください。また、くれぐれも初心者だけのダウンリバーは行わず、適切なガイドの下にダウンリバーをするようにしてください。

友廻の瀬
  • 右岸側に通れそうなストレートの流れができています。以前もありましたが、大きくなっているような気がします。初級者はこちら?
  • 中級者は、中央から進入し、大岩の左岸を抜け、下の中岩をよける形がいいかもしれません。
  • 左岸側に落ち込みができています。上級者はここから落ち込んで中央の大岩の左岸側を通り抜けるコースも取れるかもしれません。
  • 長走の水力発電所前
  • 沈下橋が落ちており、一枚の半分が川に入っています。特に危険という感じではありませんでしたが、川底に何が沈んでいるかわかりませんので十分に注意を。
  • 根笠の瀬
  • サーフィンスポットだった根笠の瀬は、流れが岩に当たり左右に分かれるような形になって、ウェーブは消失してしまいました。岩に張り付かないように。特に初級者やインフレータブル・ファルトボートは張り付くと非常に危険ですので上級者がケアしてください。
  • 南桑の河原の上流の瀬
  • 長いストレートの瀬ができました。特に危険な雰囲気はないようです。
  • 南桑のウッドビレッジ下の瀬
  • 右岸側のコースは水量が少ないと通れません。左岸側のコースを取ると、大岩へまっすぐ流れが当たっていますので、十分なコントロールができない人は船を下りましょう。
  • 椋野の橋の下
  • 橋脚の下流に中洲ができており、右岸側は細く流れが早いようでした。岸からはみでたゴミや枝に注意し、川底に危険な障害物がなければ、こちらのルートもいけるかも。
  • 北河内の橋の下
  • 水量が少ないと川幅が狭くなり、本流が橋脚にぶつかるようになっています。張り付く危険があります。
  •  まだまだ流れが変わっていることが推測される気になるポイントはいくつかありますが、実際に下ってみないとよくわかりません。全く初めての川だと思って、気をつけてダウンリバーをしてください。調査できたら、リバーマップでも作りましょう。

    9/19 今日の錦川とボランティア

    河山のトイレ

     9/19 朝、和田さん宅で目が覚める。既に和田さんは起き出していて、前日に使用したものを洗ったりしていた。食事を頂いて、さすがに載せたままでは南桑に入れないということで和田さんはカヤックを下ろした。私は載せたままでいくしかないんですけど・・・。

     和田さん宅を集合場所にしていたので、UCちゃんもやってきて、いざ出発。どうも雨模様。しかし、南桑についたころには落ち着いていた。

     既に作業が開始されている中、シーカヤックを積んでいるためなんとなく恐縮しながら南桑の中心を通り抜け、和田さんの事務所前に私の車を置いて、和田さんの車で河山へ。河山の下の駐車場に停めて、美川町コミュニティセンターの建物へと入った。

     受付を済ますが、ちょっと時間が遅かったからか、閑散としていた。しかも、現時点でできることがなく、ボランティアセンターの閉所に合わせて掃除をしていたのでそのお手伝いをちょっとだけした。

     そうこうしているうちに昼からの仕事が決まったので、ちょっと早めの昼食のあと、出発。今回のリーダーはKさん。和田さんとも顔見知りのようで、この方、先日ボランティアで入ったときも食事を被災者の方に届けていらっしゃった。

    美川中学校  美川中学校へバスで移動した。美川中学校は、校庭にロッカーや机が出されていた。ただ、どれも泥はきれいに落とされていて、あとは内装が終われば運びこむのを待つだけといった感じ。そしてそのすぐ近所のお宅の倉庫を担当。崩れかけ、泥にまみれた倉庫内から必要なものを取り出した。どこかに砥石があるらしいということだったけれど、見つからず、それがないと仕事にならんのじゃとおじいちゃん。でも、後からおじいちゃんの記憶にあった場所とは違うところから発見され、ひと安心。一通り荷物を出して泥を出したところでここは作業終了。倉庫が崩れそうだから危険ということで、残念ながらひとまずこのままに。こういうところが素人ボランティアの限界か。

     美川中学校へ戻り、今度は倉庫の撤去作業のお手伝い。そうしているうちにKさんに呼ばれ、再度おじいちゃんのところへ。気をよくしたおじいちゃんが、倉庫をさらに手入れしたかったみたいで、その作業を手伝うことになったのだった。本来だったら15:00で終了する決まりだったけれど、最終日ということで、ちょっと居残りでもいいことになっている様子。というわけで継続して作業を行った。

     倉庫の泥をかき出して、そこに新しい土を盛るということだったけれど、盛るべき土があるところはなぜか土地の境界線を示す杭の向こう。これって、よその土じゃないの?ってスタッフの方がおじいちゃんに聞くと、おじいちゃん、笑ってました!というわけで、泥を出して消毒するところまでしかできなかったけれど、それで作業終了。

    堆積した泥  ちなみに泥は、厚さ3~5cmほども堆積している。川の流れからして、ここはそんなに土砂が堆積しそうな地形じゃないところ。それでこんなだから、ひどいところはもう計り知れない。しかもこれが粘土状に固まっていて、シャベルですくうと粘り気があってシャベルから離れない。また、密度が高く、かなり重い。こんなのが、まだあちこちにたくさんたまっているのだ。おじいちゃんとこの畑も、まだまだ一面この泥がかぶっている。畑が元に戻るには、まだまだずっと後なんだろう。

    ボランティアセンター閉所式  4時頃だったかな、コミュニティセンターへ戻ると、スタッフの皆さんが「お疲れ様でした」「ありがとうございました」って言ってくれる。建物の中に入ると、スタッフの皆さんがボランティアセンターの閉所式をやっていた。集合写真なんかも撮っていた。まだまだ支援は続けていかなければならないようだったけれど、でもここまで連日やってきたのには、いろんな思いがあるのだろう。スタッフの方もボランティアだろうに、涙を見せる方もいらっしゃったりして、その感慨はきっと私らには想像ができないんだろう。

     その後、一旦南桑へ戻り、風呂でも入ろうということで、川を見ながら雙津峡温泉へ向かう。そして、とうとう見つけた。錦川が抹茶ミルク色の訳を。沈下橋が壊れたところの水力発電所から流れ出る水が汚れているのだった。多分、取水口の方はまだまだ泥水なのだろう。ここから上流は底が見えるほどきれいになっている。途中、どうしても友廻の瀬を見たくて停めてもらった。流れがかなり変わってしまったようだ。今までだったら川の中央から入っていって、大岩の右岸側を下るのがベストコースだと思うけれど、今となっては左岸側の方がいいかも。ただ、左岸側はそのあと中岩が待っているので、これまた要注意。瀬に突入するところのもっとも左岸は大きな落ち込みができているようで、こちらからのアプローチもいけるかもしれない。右岸のはしっこの流れはちょっと大きくなっていたので、初心者コースとしてはこちらが使えるかも。

     そんなこんなで憩いの家へ。なんと、ボランティアに来ていた人には無料解放だそうな。スバラシイ!汚れたままの格好で、しかも長靴で来ててよかった!なーんて・・・。いい湯加減で暖まってさっぱりして、気持ちよかった。ちなみに、憩いの家は石鹸はありますが、シャンプーなどはありませんのでご持参ください。

     会社での雑談で、「この連休はどこいくの?」「山口の災害復旧のお手伝いに」「山陽道の崩れたところか!」というくらい、他県ではこんなことになってるという認識がない。山口県内のニュースソースでも、そろそろ喉元過ぎたようだ。多分、美川町でなければ、こんなにも情報は集めなかったと思うし、現状を知らないまま普通の生活を送っていただろう。そして、今も、その他の地域の状況については、私は何も知らない。情報が全体的に不足しているし、伝達する方法もよくわからない。なので、もし一人でもこのブログをきっかけにボランティアに参加してくれた人がいたらいいなぁ、と思った。そしてまた、どこかへ出かけて行きたいと思う。そういう風に思えるようになったっていうだけで、ある意味台風14号のおかげ、かな。

     美川町災害ボランティアセンターのスタッフの皆さん、お疲れ様でした。いろんなことを教えてもらいました。ありがとうございました。まだまだスタッフの皆さんは作業を続けられるんだと思います。お体に気をつけて、これからも頑張ってください。

    9/17 今日の錦川とボランティア

     朝、岩国ICから下りて川沿いを上流へ向かった。台風14号が来たあとでこの道を通るのは初めて。開通したばかりの錦橋のところは、片側交互通行のため、3方向が順番待ちになり、少々待ち時間が長かった。

     川面はまだ抹茶ミルクの色をしており、清流と呼ぶには早すぎた。北河内の橋の下は、流れが橋脚に当たるようになっており、注意が必要。インフレータブルカヤックなど張り付きやすい艇種は艇のコントロールに自身がなければ下りた方がいい。 小郷川からは相変わらず茶色の水が流れ出る。先週よりは薄くなったようす。 そこにある日本一の自販機は先週までは倒れていたが、起き上がっていた。廃棄を待っているような感じでもある。カヌー工房のところには鉄骨で屋根ができていて、看板も見えるところに置いてあった。徐々に復活の兆し!

     すっかり落ち着いた雰囲気の南桑。といっても、まだまだ被災復興の作業は続いているのだろうが、どの家でも作業をしているような感じではなかった。まだ作業が始まるような時間ではなかったということもあるかもしれないけれど。先週は南桑でもボランティアを受け付けていたようだが、南桑ではもう受け付けていないようで、河山まで行くことになった。

     先週は正式(?)なボランティアとして働いたわけではなかったので、美川町コミュニティセンターに設けられたボランティアセンターに入るのは初めて。南桑で受け付けをして、のつもりだったので、ちょっと車に乗っていくことに罪悪感を感じつつも、河山の下の駐車場に停めて、デッキブラシなど持ってセンターに入った。

     受付を済ませて、名前を書いたガムテープを腕に巻かれた。化繊のTシャツには粘着力が弱かったようで、すぐに取れた。その後、しばらく待機。第1陣は既に出発しているようで、現場へ行く車がないのだった。

     7人のグループが結成され、リーダーを拝命。きっとセンターの方と目があったからだ。皆さんと夏宿というバス停のところの現場へ移動し、早速作業開始。解体された家屋の木材をトラックに載せる作業。それはもうものすごい埃。後から鼻の穴に茶色い物体が溜まっているのを確認した。マスクしていたのに。

     目の前の川は清流が帰ってきていた。そのとき、ラフトに乗った一団が奇声を上げて下ってきた。飛び込んだりもしている。錦町のNEOさんところだ。まぁ和田さんところには海があるけど、NEOさんところは川しかないので、しかも今が稼ぎ時、あまり言うまい。まぁでも実際真っ黒になりながら作業しているところで見るとちょっとね・・・

     昼食は河原に下りることを提案し、みんなで下りた。川で手を洗い、顔を洗う。いつもだったらこのままダイブなのに、今日は長靴で水没しないレベルまでしか入れなかったのが残念。

     そんなこんなで15時頃まで働いて、大体作業は終了、スイカを頂く。ウマイ。そして、南桑で汚れたものを洗わせてもらって、帰宅へ。って、まだ岩国だけど。

     被災したのが美川町じゃなかったら、こんなことしてなかったんだろうなと思う。まぁいいきっかけになった。テレビニュースで知りえる情報と実際の現場とがこれほど違うんだってことに気付いただけで、今回の台風14号は(不謹慎で結構)十分な収穫だったと思う。

     我も、と思った方は、美川町災害ボランティアセンター公式ブログを。


     ちなみに、カメラを忘れたので写真はありません・・・。

    美川町災害ボランティアセンター 19日(月)閉所

    山口県社会福祉協議会
    台風14号 災害ボランティア情報より

    http://www.yamaguchikensyakyo.jp/html/new01.htm

     美川町災害ボランティアセンターは19日(月・祝)の活動をもって閉所します。
     ボランティアは19日(月・祝)まで募集します。

     今日は早く寝よう。

    台風被害その後/菅野ダム、山陽道、錦帯橋

    asahi.com : マイタウン山口 - 朝日新聞地域情報
    台風被害その後/菅野ダム、山陽道、錦帯橋

    http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news02.asp?kiji=5889
    菅野ダム「放流的確」/知事、浸水巡り見解

     台風14号の大雨で錦川が氾濫(はんらん)し流域が浸水した被害には、上流の菅野ダム(周南市)の放流が影響しているとの指摘について、二井関成知事は15日の定例会見で「細心の注意を払い、的確な放流だった」との見解を示した。原因は「予想を超す雨が集中的に降ったことではないか」と述べた。

     台風接近前の同ダムは渇水状況にあり、事前放流より貯水が必要な状況だったと説明。(1)被災地では放流前に浸水被害が出ていたこと(2)被災地に放流水が届くには時間がかかることなどから、放流の妥当性を強調した。ただ今後、事前放流できる状態での判断には検討の余地があるという。

    続きはasahi.comを。

    山口県知事は、

    (1)被災地では放流前に浸水被害が出ていれば、放流して浸水被害が増えても問題ない
    (2)被災地に放流水が届くには時間がかかるから、放流して浸水被害が増えても問題ない

    そうおっしゃられました。 もちろん、洪水の主原因は「予想を超す雨が集中的に降ったこと」かもしれません。しかし、放流してもしなくても被害への影響がなかったということを証明しなければ、「的確な放流だった」と言っても、ちょっとねぇ・・・。

     ダムで実際に働いている職員もつらい立場に立たされていると思いますが、納得のいくように「的確」だったことを説明して欲しいものです。

    錦帯橋・最大で10センチ沈んでいた

    TYS NEWS CATCH '05/9/15
    錦帯橋・最大で10センチ沈んでいた

    http://www.tys.co.jp/news/20050915.html

    台風による被害、錦帯橋で調査です。錦川の増水で橋を支える柱が流された岩国市の錦帯橋でアーチ部分の被害を調べるための緊急調査があり、橋が沈むなどの影響が出ていたことがわかりました。調査には錦帯橋の架け替えに携わった大工や市の職員ら9人が参加し、アーチ部分の損壊や部材にダメージがないか、確認していきました。錦帯橋は旧城下町側の第1橋を支える5組の柱のうち2組が流されました。調査の結果、柱があった部分は10.5センチから3.4センチ、橋が沈んでいたことがわかりました。また第1橋全体が下流側に1センチほどずれていたということです。=岩国市観光課錦帯橋担当岡崎賢治主幹「あれほど下がったのかなって言うのは、ちょっと思っている以上ではありますけど、全体的に見ればそれほど深刻な問題じゃないです」=市ではこれまでに鉄パイプで橋を支える応急措置をしています。20日からは支えを強化する仮復旧工事に取りかかることにしていて、錦帯橋は、さ来週にも渡れるようになる見通しです。

     岩国のシンボル、錦帯橋。通学で毎日渡っていたという人もいたり、私ら県外人にはわからない、特別な思い入れがあるようです。

    菅野ダム-利水と治水は両立しない

     今回の記事は、ダムの利水と治水は両立しない、計画中の平瀬ダムは治水効果がないということを認めているわけです。ということは、今計画中・建設中の多目的ダムのうち、利水と治水を目的としているダムは、全て計画を見直すべきではないでしょうか。

     「はんらんは、錦川支流の宇佐川や本郷川の増水が大きく、放流は影響がないはず」、確かに宇佐川やその他の支流の上流部での降水量は非常に多かったようですので、記事にあるとおりダムが放水する前から浸水が始まっていたのかもしれません。では、ダムが放水しなかった場合と今回の場合とで、南桑地区への流入量がどれだけ違い、水位はどれだけ違っていたのでしょうか。ダムが放水しなかったとしても、岩国市内への氾濫は少しも抑えられなかったのでしょうか。浸水被害は一戸も減らなかったのでしょうか。それを語らずに、「放流は影響がないはず」と言える根拠って一体何でしょうか。また、菅野ダムの放流が影響を与えない程度であれば、平瀬ダムを作ったところで、洪水を防ぐには全く効果がないということではないでしょうか。

     記事によると総貯水量は91,000,000m395,000,000m3というデータもあるが、前者ということにして、6日午前の57,000,000m3からは34,000,000m3の貯水容量があったということですよね。今回の最大流入量1,197m3が継続的に流入し続けたとしても、およそ8時間弱は放水せずに貯めることができたわけです。実際は平均すると(どこからどこまでを平均するかにもよりますが)半分以下なので、放水せずとも耐えられたはずでは?と考えるのはおかしいでしょうか。素人の浅はかな考えでしょうか。

     さらに、菅野ダムの放水は、満潮と台風の最接近、下流域のダムの放流とも重なっていたようです。これらのことを軽視せず、山口県は責任を持って被災者全員が納得のいく回答をしてもらいたいと思います。

    asahi.com : マイタウン山口 - 朝日新聞地域情報
    菅野ダム「事前放流を」/台風14号浸水被害

    http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news01.asp?kiji=5879

     台風14号で深刻な浸水被害を受けた岩国市で、氾濫(はんらん)した錦川の上流にある菅野ダムの放流方法に不満の声が出ている。「治水」を優先する下流域の自治体などは、ダムの放流と大雨が重なるのを防ぐため、台風接近前の放流を要望。これに対し、同ダムを管理する県は、一定量の貯水が必要な「利水」とのバランスを重視して難色を示す。双方の調整は今後の課題だ。

     岩国市で浸水被害が出た地域の大半には、市の避難勧告・指示が出なかった。「最初の被害情報が入った段階で既に浸水していた。早過ぎて手の打ちようがなかった」と市の担当者。避難できず、自宅2階で耐えた住民も多かったという。

     6日の同市の総雨量は観測史上最高を記録したが、市や市議会には「ダムの放流方法に問題があったのでは」という住民の声が寄せられている。

    要望採択の矢先

     昨年8月の台風16号で、錦川の一部水位は危険水位(6・4メートル)まで0・7メートルと上昇した。流域の同市や美川町は同ダムの放流方法を見直すよう県に要請。流域で大雨が予想される場合は事前に放流するよう求めた。今年8月の県市長会では要望書として採択。そこで「県の姿勢は治水(防災)よりも利水を優先している」と批判した。

     県河川開発課の担当者は「検討が必要だが、難しい問題だ」と話す。同ダムは雨水をためて洪水を防ぐ「治水」と、工業用水や発電用の「利水」を兼ねた多目的ダム。一方の治水だけを優先する事前放流は難しいという。「予想通り大雨が降れば事前に放流しても問題ないが、予想が外れると渇水が進んでしまう」

    流入過去最大に

     6日夜、大雨に伴い同ダムへ流入量は激増。放流の目安として県が定めた流入量(毎秒310立方メートル)に達したため、午後7時に毎秒19立方メートルを放流し始めた。午後10時17分の流入量は、66年の使用開始以来最大の毎秒約1197立方メートルを記録。放流量は徐々に増やし、同11時半ごろには最大の同約492立方メートルに達した。ただ、同8時ごろに流域で浸水被害が出始めたため、放流量は抑えていたという。

     「放流のせいで浸水したという声もあるが、放流量は川全体の流入量の約4分の1に過ぎず、影響は小さい」と同課。被害の大きい美川町の南桑や岩国市の臥竜橋に放流水が到達するには3~6時間かかり、最初の放流水が到達する前に浸水は始まっていたという。

    国直轄では試行

     一方、国土交通省は昨年相次いだ台風の豪雨災害を受けて、対策を講じ始めた。昨年12月、専門家らを集めた豪雨災害対策総合政策委員会は「ダムの事前放流を検討すべき」と提言。同省は国直轄の全ダムで検討を始め、地方自治体にも一定規模以上のダムで検討するよう指針を示した。

     台風が相次いだ今夏、全国の国直轄ダムでは事前放流が試されたが、地方自治体管理のダムでは行われていないという。同省河川局流水管理室の岡村幸弘室長は「雨が必ず降る確証がない限り、事前放流は難しい。利水者に理解を得るのも困難だ」と話している。

    中国新聞地域ニュース
    山口県の菅野ダム放流に疑問の声

    http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200509150067.html

     ▽台風14号で錦川はんらん 住民「県は運用の検討を」

     「台風が近づく前にダムの水を放流できなかったのか」。台風14号による増水で錦川がはんらんし、大きな被害を受けた山口県美川町で、被災者から上流の菅野ダム(周南市)の放流方法に疑問の声が上がっている。ダムを管理する県は「放流ピーク時の水が町に達したのは水が引いた後」としながらも、住民の声を受けて放流方法の検討の必要性を認めた。

     同町の錦川沿いの地区では、六日午後八時ごろから浸水が始まり、翌七日午前二時ごろまで続いた。住民によると、水位のピークは六日午後十一時ごろだったという。

     ダムを管理する県河川開発課によると、放流を始めたのは六日午後七時すぎ。最初は毎秒二十立方メートルと少量だった。ピークは七日午前零時ごろで、毎秒四百六十立方メートルだったという。

     同課の推定では、放流した水が美川町に達するには四時間が必要。放流ピーク時の水が町に達したのは、水が引いた七日午前四時ごろという。同課の久保田昇助主幹(55)は「はんらんは、錦川支流の宇佐川や本郷川の増水が大きく、放流は影響がないはず」と説明。放流量も絞ったという。

     ダムの貯水可能量は約九千百万立方メートル。増水前の六日午前中には、五千七百万立方メートルの水があった。このため、住民は「増水前に放流し、貯水量を減らせなかったのか」と疑問を投げかける。浸水被害の度に、町が文書などで事前放流を申し入れてきた経緯もあり、不満を募らせる。

     これに対し、県はダムごとに定められた操作規則を基に、事前放流の難しさを強調する。貯水量の約七割に当たる七千四百万立方メートルが、周南地域の工業用水や水道水に割り当てられているのが理由。「水の保有権は水道事業者らにあり、七千四百万立方メートル以下の貯水量では放流できない」というわけだ。

     最も深刻な被害を受けた南桑中地区の自治会長片山原司さん(54)は「死者が出てもおかしくない状況だった。ダムの運用について、県の詳しい説明を聞きたい」と要望。町北部にある自宅が床上浸水した、町議会の藤井禎議長(53)は「人命にかかわる問題。緊急時の運用を工夫してほしい」と訴える。

     久保田主幹は「渇水への備えも重要で難しい問題だが、増水時の扱いには検討の必要はある。放流通告の方法も考えたい」としている。

    KRY News & Weather
    9月15日のニュース
    菅野ダム 事前放流は

    http://www.kry.co.jp/news/index.htm

     こちらは映像のニュースです。

    続きを読む

    岩国市の浸水1714戸、台風14号の被害状況まとまる

    YOMIURI ONLINE 05/9/14
    http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news002.htm

     岩国市は13日、台風14号による被害状況をまとめた。住宅の床下、床上浸水は、岩国、藤河地区などを中心に1714戸に上った。

     避難所は51か所設置し、計3068人が利用した。停電は3130戸。被害総額は試算中だが、錦帯橋を除く観光施設が3460万円、農業施設9130万円、農作物1億9500万円などと見込んでいる。

     杭名小(49人)は床上80センチまで浸水し、現在も休校中。14日からはスクールバスを走らせ、近くの河内小校舎を使って再開の予定。

     復旧作業にあたり、各地で大量にごみが出ており、13日正午現在で1333トンを回収。山口、広島県内の周辺15市町に同日、ごみ収集の支援を要請した。

     現在も300人を超える市職員がごみ収集や住宅の消毒、道路、河川の復旧作業などにあたっている。井原勝介市長は「廿木(はたき)で3人の方が亡くなられた。十分な事前の対応ができず、大きな被害が出てしまい大変申し訳ない。反省し、これからの対策を考えていきたい」と話した。

     衆議院議員選挙にかかった費用770億円に比べれば安いもんですよね、総理。鶴の一声で解散してそんだけ金出すんだから、鶴の一声で全国の被害額をぱぁーっとはらっちゃってください。

    美川町「ボランティア足りない」~台風14号から1週間

    YOMIURI ONLINE 05/9/14
    http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news001.htm

     台風14号で県内が被害を受けて13日で1週間。錦川の増水で床上浸水など深刻な被害が出た美川町南桑地区などでは、泥の搬出などの復旧作業が依然として続いている。高齢者だけの住宅が多いにもかかわらず、ボランティアの人数が十分ではなく、同町災害ボランティアセンターでは「まだまだ、人手が必要」と応援を呼びかけている。

     センターによると、町内には、週末の10、11の両日はそれぞれ、県内外から約150人が加勢に来てくれたが、平日は仕事で来られない人が多く、13日は約60人に減少。住民の疲労も限界に近づいているという。

     応援要請のある作業は、家財道具の搬出などから、食器類の洗浄や、押し入れの片づけなど、災害当初に比べて、細々とした内容に推移しているが、生活再建には欠かせない作業。

     独り暮らしの同町南桑、山田吉春さん(91)方は、1階の床下に泥がたまった状態。山田さんは「疲れてしまって、いつ家がちゃんとなるかわからない」と畳がなくなった屋内に座り込み、ボランティアの作業を見守っていた。

     近くの平金安子さん(83)は「畳や食器をそろえるのはいつになるか……。壁も戸も壊れているので、泥がなくなった分、今度は盗難が心配」と話していた。

     問い合わせは同センター(0827・76・0077)へ。

     和田さん宅も自転車が盗難されています。ひどいヤツが世の中にはいるのです。

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