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エスキモーロール(10) 練習のサポート

 ロールに失敗して、ひっくり返った艇。溺れそうになって酸素を求め頭をあげる練習者。そんな艇を起こすのはすんごい力がいる。こんなんじゃサポートするのも大変だし、サポートをお願いしにくくなっちゃって効率的な練習ができなくなる。でも、サポートする側に殆ど負担がなく、練習者もロールの極意を理解しながら起こしてもらう(というより起きる)方法がある。力の弱い方でもサポートできれば、パパが娘さんに練習をサポートしてもらう、なんてことも。

 というわけで、ロール練習をしている人をサポートする方法について書いてみよう。


 ロールの練習中、どうしても失敗してしまうことがある。そりゃそうだ。失敗しなくなったら練習しなくていいもんね。失敗したからといって沈脱すると、かなり疲労してしまう。何度か沈脱するうちにもういいやって気分になってくる。

 だから、効率的に練習するには、沈脱しないことが重要。沈脱しないために、まわりの人に積極的にサポートをお願いしよう。ロールの練習をしたいという人に手を貸してくれないカヤッカーはそういない。はず。

 よくある間違ったサポート方法。間違ったって言ったらアレなんで、「大変なサポート方法」とでもしとくか。

 艇に乗って鼻栓・ゴーグルをしてやる気マンマンのだんな様。水に入って涼みながらサポートしてあげる奥様。がんばってね!ダーリン♪

「失敗したら起こしてね」「はーい!」

 そして沈・・・ロール一回目:失敗・・・二回目:惜しい、失敗・・・あぁ、もうだめか・・・。起こしてあげなくちゃ。ひっくり返った艇を持って、起こそうとする。半分くらい起こしてあげたら溺れそうな練習者は呼吸のために頭を上げた。呼吸はできているようだけど、これ以上艇を起こせない・・・重い・・・あぁっ!・・・バシャン・・・再び沈・・・結局沈脱・・・。

「もうっ起こしてって言ったのに!」「えー重いんだもん・・・」そして険悪なムード・・・。もう手伝ってくれなくなっちゃう。結局一人で練習して、一日3回くらい失敗したらもう終わり・・・。ロールなんてできなくても・・・なんてあきらめちゃう。

 今のどこが悪かったのか。なぜそんなに重いのか。

 ロールの極意でもある、カヤックファースト。カヤックを起こして、体が後というこの真理。これは、実はサポートしてあげる場合でも同じなのだ。サポート者が艇を起こしてあげてるのに、頭をあげて呼吸をする練習者。これじゃ頭を支えていた浮力がなくなり、その重量がすべて艇を倒す方向にかかる。だから、サポート者にはものすごい力が必要になる。

 だからサポート者が艇を持って起こしてあげるのではなくて、練習者自らが艇を起こせばいいのだ。

 まず、サポート者は艇の横に来るようにする。右ロールを練習中なら、艇の右へ。短いリバーカヤックだと回っちゃうけど、まぁいいや。とりあえず。その辺は工夫してください。

 サポート者は、ロールに失敗しても、艇を持って起こさないこと。練習者は、もうあきらめたと思ったらカヤックの底をバンバンとたたく。それがサポート者がサポート開始の合図。サポート者は練習者の目の前あたりに手を差し出し、練習者につかませる。つかませるだけで結構。引き上げる必要はない。練習者は、慌てず騒がず手が差し伸べられるのを待って、そっとつかませてもらおう。右ロール練習中だったら左手でパドルを持って、右手で手をつかもう。

 そしたら、まずはひと呼吸。サポート者は手をつかんだまま水面あたりまで持ってくる。練習者は、つかませてもらった手を支えにして、とりあえず苦しい息を整える。サポート者は、すぐに起こしてあげない。そんなことしたら疲れるだけだ。慌てている練習者にとりあえず呼吸をさせて、落ち着くように促そう。休憩タイム。

 落ち着いたら、サポート者は艇を起こすように練習者に指示。でも、顔を出して呼吸している練習者は、どうやって起こせばいいのかわからないはず。だって、その姿勢だと起こせないもん。起こせる姿勢にならないとね。

 練習者は(この場合は)右手をサポート者に預けたまま、一旦頭を沈める。そして、左足をけりこみ、右ひざを引いてヒップスナップ!このときサポート者は殆ど力がいらない。だって練習者が自分で起きたんだから。さらに、練習者はヒップスナップの練習ができた。サポートしながら練習もできるっていうわけだ。

 このままじゃもったいない。このサポートにはもっとたくさんの要素が含まれている。さっき、ひと呼吸したときに艇を起こそうとしたら起こせなかった。なんで??練習者に考えさせる。呼吸するために頭を出しているその姿勢、左の腰が縮み、右の腰が伸びた状態。それって、カヤックをひっくり返す方向に力をかけてるんじゃない??だから頭を一旦沈め、左足をけりこむと同時に左の腰が伸び、右ひざを引いたときに右の腰が縮むのを感じてもらう。そして、手はどうだったか?サポート者の手を沈めるほどひっぱったか?殆ど力をかけてないんじゃないか?ってことは、パドルを持ったときも、そんなに力をかけなくても大丈夫なんじゃないか?手の動きはいらないんじゃないか???

 サポート者はこっそり力を抜いてみるといい。そして、「うわっ今ぜんぜん力かかってなかったよ!」と励まそう。または、こっそり手を離してみるといい。それでも起きたら、「おぉっハンドロールできたよっ!」と自信をつけてあげよう。

 さて、水温が下がってきたら、水中でサポートしてもらうのも気が引ける。そしたら、いわゆるバウレスキューをやってみよう。ロール失敗してあきらめたら、練習者はカヤックの底を叩き、水上に手を伸ばす。サポート者はその手に向けてカヤックのバウを近づける。これ、早くしないと練習者が溺れちゃう!リバーカヤックだったらくるくる回って追いつけない!練習者は、水中でカヤックが近づいてくるのをじっと見守ろう。サポート者を信じよう。もしかしたら右じゃなくて左に来るかも。あれ?右ってどっちだっけ?ひっくり返ってるから、えーっと・・・。どっちでもいい。とりあえず、どっちに来てくれるかわかんなくても対応できるように水中では落ち着いていよう。カヤックが近づいてきたら、そのカヤックについているグラブループあたりを持って、とりあえず呼吸しよう。あとは、先ほどの方法と同じく自分でヒップスナップして起きよう。

 ロール練習の妨げになるのは沈脱。沈脱しない練習方法は知っておいて決して損はない。そして遠慮せず誰かにサポートをお願いしよう。すべてのカヤッカーは、ロールなんてできなくても平気というひとを除いて、ロール練習のサポートをするのは大好きなのだ。しかしもし奥様が手伝ってくれないというのなら、それはカヤックのやりすぎなのかもしれない。

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コメント

  1. fusai より:

    これまた貴重な資料になりそうです。ありがとう :gemini:

  2. quickturn. より:

    貴重な資料??
    最後の一文のことでしょうか :smile:

  3. けんと(^。^)y-。oO より:

    間違った道なのでしょうね…。
    ロール失敗=沈脱ならまだしも…リーン失敗→沈脱。
    ブレイス失敗→沈脱(^^;
    何の練習しても最後は沈脱…。
    そして沈脱だけは怖くなくなっちゃった(^。^)v

    ま~何してもこの調子か…(^^;
    バウを刺す 失敗→ロール。
    スターンを刺す 失敗→ロール。
    そしてロールは…ってなれば良いのか~σ(^^)

    まっ一人でやってたからこうなるのでしょうね(^^;

  4. quickturn. より:

    あれだけばんばんロールできれば十分だと思いますけど・・・。
    まだ始めて1年経ってないんでしたっけ?

  5. けんと(^。^)y-。oO より:

    いえいえもう1年は過ぎましたよ(^^;
    去年の今頃は…初心者向けの体験ツーリングで海を1回と、錦川を2日連続だったから2回の計3回漕いだ~って状態でしたね。
    1年って早いな~(^^;

    そう言えば去年のお盆も近くに居たんですね…。
    quickturnさんは南桑、わたしは杉山食堂のとこでキャンプしてたんだから…。
    しかも買出しはサンマートだったし…(笑)

  6. quickturn. より:

    それにしてもスゴイなぁ~
    1年ちょいくらいではそんなにロールできなかったですよ。

    去年の南桑はイヤな思い出が・・・。

  7. けんと(^。^)y-。oO より:

    そのイヤな思い出を南桑でたっぷり聞かせてもらいましょう~(笑)

  8. quickturn. より:

    すでに話した気もしますが・・・

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