臆病といえば
私はかなり臆病だと思うのだけど、なんで臆病なのかなーって思ったら、きっとサイアクの事態を想像してしまう傾向にあるんだろうなってふと思った。
昔々、リバーカヤックを手に入れて、まだそんなにロールもできないうちにシーカヤックを手に入れた。しかし、近所の海を漕ごうと思ったら一人で漕ぐしかなかった。特にこのスコールというカヤックは反り起きがしにくくて、怖くて仕方なかったというのもある。「シーカヤックはロールしにくい」そんな妄想を抱くのもムリはなかった。余談だけど、今じゃシーカヤックだからしにくいんじゃなくて、リバーカヤックもシーカヤックもロールしにくいのとしやすいのとある、そしてやり方さえわかればスコールは決してロールしにくくはない、ということがわかった。
一人でツーリングするとなると、やっぱり怖いのが沈。沈したらどうしよう・・・パドルフロートを使ったセルフレスキューの練習はしたけどアレはかなり疲れる。もし何度もやって疲れてしまったら、もう乗れないかもしれない。そうなったら帰って来れないかもしれない。そのまま流されていくんだ、そんなことを考えてしまって怖くて仕方がなかった。
今では笑い話かもしれないけど、当時は大真面目にフィン(足ひれ)を常備しておいた。これがあったらカヤックを押して岸まで泳いでいけるだろう、最悪カヤックが流れても自分は岸まで帰れるだろう、そう考えていた。もちろん、遠くへ行くと泳げるのも泳げなくなるので岸ベタ。湾状のところであっても、ショートカットなんてもってのほか。岸にいる人が判別できなくなるようなところは絶対に漕げなかった。
だからかなぁ、ロールは必死になって練習した。練習してもしてもできなくて、できるようになったかと思ったらスランプになって全く起きなくなったりして。スランプを克服して以来ストレーナーにひっかかって沈脱したことはあるけど、ロール失敗で沈脱することはなくなった。他の人に「そのうちスランプになりますよ~」って言ってたけど、どうやらフツウの人はならないみたい・・・。俺だけかよ~!
ロールができるようになって、波ざっぷんざっぷんでも平気になった。少々荒れてても平気。昔の恐怖感を思い出すと笑えるけど、それでも今なお航路横断っていうものはとても怖い。一人じゃ行けない。近寄ることさえできない。「大丈夫」と言ってもらえるようにはなってるみたいだけど、それを信じられないのよね。ホントに?ホントに俺が大丈夫??って思ってしまう。だってタイミング間違えたらあのデッカイふねが自分の上を通っていくわけでしょ?そしてしばらく船底でもまれたあと、スクリューでおさかなさんに食べやすいように一口サイズにされてしまうわけでしょ?コワイよね。そんなこと想像しちゃったらぜんぜん近寄れない。でも挑戦しなきゃね。
川でも、もし水中でひっかかったら、とか考えたらぜんぜん一人で漕げない。一人じゃなくても、でっかい瀬を前にすると結構後ろ向き。行ってみたら意外と行けたりするのにね。スカウティングしてみたら、すり抜けていく自分じゃなくて岩に張り付いたりホールに捕まってる自分を想像してしまう。錦川とかじゃホールにつかまってとかないけど、それでも竹やぶに捕まったらとか岩に張り付いたらとかまぁいろいろ考えて未だに一人じゃ漕げない。少なくとも出合から下なら一人でも平気なくらいになってるはずなのにね。もしバウステ練習しててバウ沈して頭打って沈したまま気を失ったらとか考えたら一人で漕げない。←バウステ練習しなきゃいいって?そりゃそうだ。でもしたくなるやん。今が一番楽しい時期なのに。
だから、ロールできなくても大海原を漕げちゃう人とか、ちょっと河山から下ってきた~とか言っちゃう人とか、そんな人たちの度胸がすごいと思う。もちろん沈しないとか岩避けられるとか技術に裏打ちされてるんだろうけど、もし、もし、万が一、って考えちゃうチキンなのだ。
まぁでも、そのくらいの方が死ななくていいんかな・・・。








