9/11~12 大崎上島・大三島シーカヤックツーリング
9/11~12は、大崎上島と大三島へキャンプツーリング。風が吹いて大変だったけど潮のおかげで助けられた59.7km。
初夏にロング練習ということでたきびさんと大崎上島一周を予定していたのだけど、霧に阻まれて行けなくなった。そのリベンジ的な?ツーリング。今回は一人だけど。しばらく海水浴シーズンで入れなかった竹原市の的場海水浴場から出発。夜閉まるところなので、管理人のおっちゃんに一声かけた。なんでも、日曜日がジェットの大会?があるらしく、土曜日が前夜祭だとかで車は端っこに停めてと言われた。
日曜日にそんなんがあるんだったら帰りは夕方くらいにしないといけないんだけど、潮が合わないし午後から風が吹きそうだ。まぁ、時間がたっぷりあるから何か考えよう。
出発の土曜日は午後から下げ潮なんで、それに合わせて昼ごろ出艇。既に風が強くなってて、白波がちょぼちょぼ出ている。ひと昔前ならそのまま帰ってたくらいだけど、今となってはどうせ波も50cmくらいでしょ的な感じでまずは阿波島にとりついた。
この二つの写真で、どっちに流されているかわかるでしょうか?遠景と近景の重なり具合を利用すると、コンパスなしでも正確なフェリーグライドができるのだ。いや、1度の差でさえすぐわかるので、むしろデッキコンパスなんかよりもずっと正確。島がいっぱいの瀬戸内海シーカヤックならでは?いやいや、島じゃなくても、ふもとの家と山の上の鉄塔とか、とにかく近景・遠景があればできるのでわりと使える。
というわけでまだ転流してないようで、上げ潮に流されつつ唐島へ到着した。小さな小さな唐島でも東側に入ると風裏でとてもおだやかだった。
そこから佐組島へ横断。
その次は生野島へ。上から黄色で下が黒の標識は北方位標識という浮標なので、この浮標の南側は安全(なはず)なのだ。非常に頻繁に通過するフェリーも往路・復路ともにこのフェリーの北側(というか西側)を通るので、そこで通過待ち。航路が狭いほど横断時間が短くて済むので安心安全。
生野島から船島へと南東に進む。モロ向かい風だけど追い潮なので結構速い。速いけど海水との相対速度は低くなるので漕ぎは重くなる。だから、細くて短いローギアパドルが楽なのだ。細いから風の影響を受けにくい、というだけではない。そういう点では、長いと意味がない。
船がやってきていたのでその隙にちょいと二子島に上陸。
箱島の北側を通り過ぎ、刀崎を回りこむと激しい逆潮。逆潮に立ち向かうのもよし、それに飽きたら逆潮の逆潮を行けばよいのだ!いや、僕は後者ですけどね・・・。
前回は干潮でひとつの島に見えた上島が今度はしっかり二つに見えた。
長島大橋に近づいてくると、向こうに追い潮が見えた。長島にぶつかって反転してたんだろうねぇ。漁船の通過を待ってからそっちに乗り換えたら速い速い!
大西港の前で、フェリーが停泊しているのが見えたので今のうちに・・・と横断しかけたらゴゴゴと音がして旋回を始めた。行くか戻るか、・・・。うーん、戻る!!バックストロークダッシュで激しく漕いだ。安全圏に達したのか避けてくれたのか、結構先の方を通過していったので改めて横断した。
そういえばこのあたりは3回目だけど大相賀島の南側を通るのは初めてだ。写真はその南端。
もう風が収まってきたこの頃、大崎上島の最西端、塚崎に近づくと、向こうから潮流波が近づいてきた。いいなぁ~。こういうの。とろーんとした海が途中で波に変わるのだ。もしかしたら海の端っこなのではないかと思っちゃう。潮流のフシギ。え?よくない?別に?
塚崎を回りこむと見えてくるのがこの大きな砂浜、外浜海岸・大串海水浴場。ここにちょっと上陸してみた。
ここには「大串キャンプ場」がある。事前予約が必要らしいので来たことがなかった。とりあえずどんな感じなのかチェックチェック。
いきなり来て電話したらやっぱりダメなんですかね。ていうかケータイ時代は市外局番からダイヤルする(ケータイでも「ダイヤルする」っていう?)必要があるのでかけられないし・・・。今は市外局番が一桁減って、0846。で、市内局番は64らしい。
以前行った来島を横目に、ゆったりまったり西の海岸線を南下していくと、今回の目的地・岡村島と岡村島にかかる橋が見えてきた。
あそこへ渡ればゴール!なんだけど、潮流激しく高速船やフェリーも行き交う難所でもある。
高速船をかわして、この浜に上陸したら、ゴールの岡村島の「正月鼻キャンプ場」。
昼に出たのでもう夕方。水浴びしてさっぱりしたあとで、ビールを開けて、夕日がよさそうな感じだったのでインターバル撮影のセットをした。30秒間隔で180枚。夕日が沈んだあと、月がちらっと見えたのだけど、Youtubeにアップすると殆ど見えなくなった。残念。HDにして画面いっぱいに広げて見ていただくと、最後、暗くなったあとで左のほうにちょろっと見えるはず。
翌朝は5時くらいから若そうな釣り人がくだらん話をしていてうるさかった。道路のすぐ横のテントサイトなので仕方ないといえばそうなんだけど。テントを畳んだあとで、またテン場の写真を撮り忘れたことに気づいたので、片付けた荷物だけ。今回のオールキャスト。
朝の空気がここちよい季節になってきた。正月鼻の先はかなりの潮流で、時速10km以上でノリノリ。この潮に乗っていけばあっという間に帰りつくのだけど、早く帰りついたらジェットまみれなはず。なのでもったいないけどゆったり帰ることにした。
4kmちょいを30分。4.7mのカヤックではなかなか達成できない記録なのだ。
岬の上に建つきのえ温泉ホテル清風館。下の浜は広そうに見えるけどカヤックでは上陸できないようになっていた。
木江方面はぎっしり港町、人工の浜、という感じで、カヤックで上陸できるところがあるのかどうか近寄ってみないとわからない。ちょーっとトイレに行きたい気もしなくもないような感じだったのだけど、もし万が一のことを考えたらよくわからないところに近づくのはちょっとコワイ。まぁ時間もあることだし・・・
というわけで、針路を変えて福島方面へ漕ぎ出した。
大崎上島と福島の間は大型船の航路。しかも潮流が結構速い。慎重に慎重に。
途中、来島海峡大橋も見えた。
福島の周りは潮流で結構ざわざわしていた。流されたけど、上げ潮の北向き潮流なんで北側のエディに飛び込んだ。
この福島、伝説がある島なのだ。昔々、百済から仁徳帝に貢物として「金鶏」(きんし)が送られたそうじゃ。ところが、その「金鶏」がなぁ。この島へ逃げてしもうたんじゃ。
その「金鶏」の光を浴びた村人は、いつしか大金持ちになったそうじゃ。それで、この島を「福島」と呼ぶようになったそうじゃ。
てなことが大三島の「ところミュージアム」の近くの道路の脇の看板に書いてある。車で走っても気づかないだろう。カヤックだとあそこまで行かないだろう。ということで、自転車ならでは!ということにしておこう。
その看板には「金鶏」とあるが、「きんし」といえば「金鵄」、金のとびらしい。
そのところミュージアムもだんだん近づいてきた。数度自転車で前を通ったけどいつも受付の方がいるだけなのよねぇ。
で、大三島の台(うてな)海水浴場へ到着。気温も上がって暑い。砂泥棒?がこっちを見つつ砂をふるいにかけていたのでちょっとやな感じ。
トイレがあったと記憶していたのだけど、なんとトイレは鍵がかかっていた!この「無断利用禁ず」の看板がいくつもつけられていて、勝手にキャンプして見つかったらタイーホでもされそうな勢い。
当施設は、有料施設となっています。宿泊・一時使用をされる方は、大変お手数ですが、ほにゃららまでご連絡ください。とある。
あのートイレ行きたいんですけど・・・って電話したら、開けてくれるんだろうか。市外局番も書いてあるので電話できるし。
このまま一時使用もアレなんでそそくさと浜をあとにした。
パラグアイもマテ茶な感じでなんとなく収まってきたので目の前の大横島へ向かって漕いだ。コンパスを真西に合わせて漕いだのに軌跡は30度くらい北向きになった。かなり速い北向きの潮流。北側のエディに入ってしまえばいいので、フェリーアングルじゃなくて西向きベクトルを最大にする方を選んでそのまま漕いだ。
とはいいつつこのまま行っても小横島を過ぎそうだ。と思った頃に、ジェットがぶんぶーんと向かった大横島にかんたんタープが見えた。それは別にいいんだけど、でも今度は北からそのあたりに向かって大量にジェットがやってきた。一体何なんだ!?
大横島に近寄る気が失せて、大横島でしばらくゆっくりしよう計画はあっさり崩れ去った。一時利用がアレな浜に戻っても仕方がないので北向きに針路変更。上げ潮に乗って10~11km/hで快調に進んだ。その間もジェットがどんどんやってくる。ハンパじゃない数。
鏡崎まで快調にやってきたのに、ここからなぜか逆潮。どう反転してるんだろう?肥海の湾も途中まで渡ろうとしたけど逆潮が強かったので岸沿いに戻ってゆるいところを渡った。
この写真の柵林島(たるばしじま)を過ぎる頃にもまだジェットが三原方面からそっちに向かって来ていた。その岬を過ぎると今度は追い潮になった。この辺は潮がわからない。神殿島や肥海の湾で大きく反転してるってことですかね。
大久野島が見えてきた頃、徐々に雲が出てきて、天気予報のとおりに南西の風が強くなってきた。この風に押されるままに大久野島に渡っちゃおうかなぁと思っていたが、大崎上島と大三島の間からずっと巨大船がやってきてるのが見えていたのでちょっと待機。
その間に四十島に流れ着いた。というより激流れ!!なんじゃこりゃー!!このビデオのように、川みたいになってるし。もうそろそろ満潮で、転流1時間前くらい。海図の記載は上げ最大で3.3kn。なんちゃらの法則が正しいのであれば、今は1kn以下じゃないとおかしいのに。
この方向に流されると大三島フェリーの進路妨害をすることになる。ひとまず横断は諦めて、盛のキャンプ場前に上陸。潮待ちついでに昼食ということにした。あの大型船が今やっと通過。このスピードだったら行ってもよかったかもしれんねぇ。でもデカイから近くに見えたし。
一人で競泳用パンツで泳いでいる真っ黒にやけたおっちゃんがいた。若いなぁ~。岡村島から来たといってもピンと来なかったみたいだけど竹原に帰るというとびっくりされた。いや岡村島の方が遠いんですけど・・・。
こっちはトイレも開いてて一安心。でもここは多々羅しまなみ公園で受付だそうだ。シーカヤックでやってきたらどうすんだろう。
ずーっと海を見て、転流を待った。転流した頃出航したが、西の風が結構強くなってきたので今度はそれに流された。
大久野島南端の灯台を回りこむと海がざわざわしてきた。もうこっから向かい風。あたり一面波頭が崩れるような状態なのになんで写真に撮ると写らないんだろう。でも波高は50cmくらい?こんなの波のうちに入らない。
小久野島の南側目がけて漕いでいったら潮流と相俟って結構な波。こっちを見ている釣り船にこんにちは的な余裕の笑顔をしてみせた。昔だったらひきつった笑いだっただろう・・・。
阿波島が見えてくると帰ってきた感じがする。小久野島と阿波島の間は貨物船の航路になっているので、視界の開ける小久野島の北側に出てから横断開始。向かい風で4~5km/hしか出てないけど、急ぐ必要がないのに力を入れて漕ぐと疲れるだけなので、速度一定より負荷一定で漕ぐ。
阿波島に近づくにつれて風が緩くなってきた。風裏なんだろう。阿波島の北側に出てきたら、まだブンブンしてるみたいだったのでしばらく上陸して休憩にした。1時間弱経った頃、ジェットを牽いた車が何台か、対岸を走っていくのが見えた。そろそろ終わったか、ということで、追い潮に乗って帰還。
潮と風の方向が逆なので、結構いい波が立っていた。でもこの潮流、沖の方に向かっていたので途中までしか乗れなかった。
浜は既に静かになっていた。管理人のおっちゃんがいたので挨拶するとご立腹。この日のイベント参加者・主催者もゴミを拾うことなく帰っていったのだそうだ。
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コメント
独り漕ぎですが、余裕ですね~
波を読んだり、思うがままに乗ったり。
楽しんでいる様子が伝わってきます。
昔はみんながいれば安心、一人じゃコワイ、
その昔は誰がいてもいなくてもコワイ、だったのが、
最近になって徐々に余裕が出てきましたね~
でもまだまだ読めない理解できないことが次から次へと
出てくるのでそれを考えるだけでも楽しいですね。
来年はぜひ行きましょう~