カヤック×転覆≠遭難
「シーカヤックでロールの練習をするのは、バックカントリースキーヤーがビーコンの練習をするようなもんですかね」
「板を谷側に持ってきて自分で立ち上がる程度のことじゃないですかね?」
っていう話。わからんか。
リバーカヤックはしょっちゅうひっくり返るのでロールはできた方がいいなんていうのは浸透していると思うんだけど、シーカヤックはそうそうひっくり返らないせいかできなくてもいいってことになっているらしいという話をよく聞く。シーカヤックはやらなくてリバーカヤック専門の人にそういう話をすると、「シーカヤックの方がやばいでしょ」という返事が返ってくる。川はちょっと泳げばたいてい岸があるけど、海はそうじゃない場合もある。だからか、未だに海の方が怖い。
シーカヤックをやらない人と話をしていて、その方は昔バイクに乗ったりしていたそうなのだが、大型バイクはほしいとは思ったけれどやめたそうな。起こすのが大変だからって。こけたらあんな重たいのを自分で起こさないといけないもんなぁ~なんて思ったけど、でも大型バイクに乗ってる人は、そんなにこけないから別に自分で起こせなくてもいいとか言ってる人はいないと思う。
大型バイクの世界をあまり知らないんだけど、一応教習所で起こし方とか習うんですかね。そもそもこけるのは下手なんかもしれないけど、でも一応起こせるようにならないといけないっていう文化は浸透しているはず。シーカヤックもこけるのは下手なんかもしれないけど、でもだからといってこけても起こしたりできなくてもいいっていうことになってるというのはバイクの世界とは違うような気がする。
先のバックカントリースキーの例でも、ビーコンは持ってて当たり前、ていうかそもそもこけても自分で立ち上がれないような人はゲレンデで練習してなさい、ってことになると思うんだけど、バックカントリースキーのガイドなんてやってる人は「雪崩になんか合わないからビーコンいらない」なんて言う人がいたら激怒すると思うんだけど、シーカヤックの世界はまだそういうのが浸透していないような気がする。いやもしかしたら、スキーヤーが「こけたけど自力で立ち上がれるようになった!」なんて言わないように、いちいち「ロールができた!」なんて言わないだけだったりするのかもしれないけど。シーカヤックでもサーフゾーンで遊んだりする人にとっては、そんなできるできないじゃなくてできて当たり前だからいちいち「今日はn回ロールした」なんて言わないだろう。だから話には出てこないとは思うけど、もちろんそういう話じゃなくて。
たまにシーカヤックが遭難したニュースが出ると、「カヤック 転覆」が見出しだったりするのにとても違和感を覚える。船舶の中で転覆してもそのまま復帰して航行を続けられるのってカヤックくらいなもんだと思うんだけど(よく知らないけど、ヨットとかもできるんでしたっけ?)、まだ世間では転覆即遭難という偏見があるのかもしれない。いや偏見じゃなくて真実だというのが実態なのかもしれない。ニュースの焦点はPFDをつけているかどうかであって、転覆後復帰の練習をしていたかどうかは不問にされる。海上保安庁の水難の話も「ライフジャケットをつけていたから助かった」というのはあるが「転覆復帰技術を持っていなかったから漂流した」というのはない。
「カヤック 転覆」がニュースに出てこないようになるには、「バックカントリースキーにはビーコン」といわれるような感じで、ロールをはじめとしたセルフレスキュー技術が持ってて当然の常識になっていけばいいのかなぁ。それには、今後シーカヤックがもっともっと文化的に成熟していく必要があるのかなぁ。それとも衰退して今の状態があるのかなぁ。でもシーカヤックマラソンとかで自力での再乗艇ができないと失格になるとか明記してあるのも最近出てきたようだし(参加資格に「セルフレスキューができる人」とはあるけれど、失格を明記したのはあまりなかった気がする)、徐々に浸透していってるのかなぁ。
コメント
セルフレスキューできないと、あれこれ大変ですねぇ。多くの方に迷惑をかけてしまいますから。
さて。
秋もシーカヤック楽しまれてますね。激しい波も潮流も何のその。ダイナミックに漕がれているようで。すごいですねぇ。流れ、大型船、怖!
ブログトップの雲の字はどうやってるのかな。こんなのもできるんですね。
> セルフレスキュー
ですよねぇ
沈するようなところではまた沈するから意味がないとか・・・
ロールとかは特殊な人が特殊なカヤックでするもの、ってことになってるのかもしれません。
> 波も潮流も
荒れてないときも楽しいスポットがあるなんて瀬戸内の醍醐味ですね!
> 雲の字
上空の気温と湿度と飛行機の飛び具合でしょうねぇ・・・チガウカ