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11/1~2 平郡

 11/1~2は、再び平郡へ一人旅。去年お世話になったおばあちゃんには会えなかったしキャンプ地は牛に奪われたし八島もあきらめちゃったし青く澄んだ海の写真を収めることもできなかったけど、いい経験になった。43.4km。


 天気予報が当てにならない離れた島へは、やっぱりサラリーマンなんで予備日が必要で、それでいて去年やられた北東の風は避けて・・・。と天気図とカレンダーを見比べながらやっと11月に入って決行できた。木曜日までは無理だと思ってたけど、前線が金曜日に通過したのでこりゃ行けそうだと判断した。

 判断が正しかったかどうかなんて、行ってみないとわからないのがシロウトの怖いところ。未来の風を予測しないといけないのが海の怖いところ。とりあえず平郡までは行ける。その次八島に行くかすぐ戻るかは、平郡でまた考える、そう決めて出航地へ向かった。

 とっておきのヱビスを出航準備中に落としてしまい、穴があいた!よりによって今回は奮発して500ml買ったのに・・・。あぁヱビス・・・。ぴゅーっと・・・。テープで穴を塞いでみたりしたけどうまくいかず、飲んだら漕ぐな、漕ぐなら飲むな・・・。旅をともにすることができなかった。

 猫の額ほどの浜で荷物を積み込んだ。今回は防寒着が増えたため前回より嵩張る食料を減らし簡単なものに変更。師匠に教えて頂いたコンパクトパッキング用コンパクト防水バッグを使って、2人用テントを本体、フライ、ペグ+グランドシート、ポールの4分割にして、その他いろいろ頑張って梱包したら、なんと後ろハッチの口の大きさ分の余裕ができた!仕方がないので、また念のためブーツを入れていくことにした。

 ウェアはドライパンツにロングスリーブのドライトップを用意してきたが、上はラッシュガードで十分だったのでドライトップはハッチの中に入れていくことにした。

 爽やかな秋の空。ほぼ満潮の時間だったけど、まだ転流前のようで若干逆潮を感じた。反転流を使うべく岸沿いを法師崎まで向かって行き、そのまま上荷内まで横断。

 平郡水道は視界に入った大型船3艘をやり過ごして通過した。ここも右側通行だが、西からの船は上関瀬戸を通過してきた船と宇和島方面から来た船とでは通過する位置が若干違うらしい。

 岸が遠いといつも不安を感じる。なんとなく岸近くまで来るとセルフビレイが取れるような気分がして、例え上陸できない岩礁であっても陸と陸を最短で結ぶのが好み。だけど今回は前回とは全く違うベタベタ凪なんで、まっすぐ掛津島へ行くことにした。

 針路変更してから4kmちょっとで掛津島へ到着。南側しか見てないけど、平群島のほとんどの浜と同じでゴロタ石の浜がいくつかあったのみ。

 上陸するのも面倒なので、海上で休憩。足元のクーラーボックスを引き出しておにぎりを出そうとしたらファスナーが向こう側だったのでちょっと苦労した。

 昨年苦労した平郡東の港の付近もベタベタ凪で拍子抜け。しかし島裏から風が抜けてくるのか若干風が強かった。

 しかしまぁ最初に来たときがこんな凪でなくてよかった。あの時この海況だったらきっとナメてかかってると思う。

 島の住人たちが列をなして歓迎してくれた(?)。

 上陸して、まず去年案内してくれたおばあちゃんを探してみた。ちょこんと座っていたあの出会った場所へ行ってみるもいつも座っているわけではなかったらしくいなくて、テレビを見に誘ってくれたときに指差した方へ歩いてみたが出会うことなく。名前も聞いてないから探しようもなく。あまりうろちょろすると怪しい人なので残念ながらあきらめた。

 この鳥居のところでお手伝いしてご利益を獲得したからまだ漕いでいられるのかもなぁとか思ったりして。

 そのまま、いろいろお話を伺ったお酒屋さんへ歩いて行った。途中、僕が入港したときに停泊していた定期船が出航していった。

 定期船を見送ったところで「今定期船出ましたよ」と僕に教えてくれたおばさんとちょっと話したら、どうやら金曜日は海がかなり荒れたらしい。前線が通過していったからなぁとか考えた。「まじ」という風が吹いたらしい。

 お店へ顔を出すと、まだ覚えていてくれて、またいろいろお話してくれた。ここでも「まじ」という言葉が出た。ヱビスはなかったが、ビールやつまみを追加した。

 昨年は意を決して出航した東端へ、今度は気楽に漕いで行った。東端で若干潮流波が起こっている程度。あとは凪。

 そこから先は自然が残る場所。がけっぷちを楽しみながらキャンプ地へ向かう。

 「三島」が見えてきた!

 洞窟があった。前はそんなん見る余裕がなかったわ。

 上陸してキャンプ地に上がってみたら、なんか様子が違う。広場は放牧地になっている。

 キャンプさせて頂いた場所は囲われてしまって立ち入り禁止を醸し出している。どうしたもんかと思ったが、まぁ仕方がないので端っこにテントを張らせて頂いた。

 少し雲が出てきて多少波があって、見るからに青い海をうまく撮影できないのが残念だけど、釣り人は帰って行ってただただ美しい景色を独り占め。

 八島に沈む夕日を・・・と思ったが、このあと雲に隠れてしまった。残念。

 お酒屋さんで買ったビールを飲みながら、お酒屋さんで買ったつまみをパクついて、お酒屋さんで買った肉を焼いて、ご飯を炊いてカレーを暖めて夕食。暗くなるとちょっと怖い。

 暗くなってから山の方から何者かが「プギャー」て叫んだ。すぐそこにいる何かがまさに半角カナで「プギャー」っていう感じで叫んだ。猿か?何だろう?

 そのまま何もすることもないし8時くらいには寝たのだが、夜中にバサバサという音で目が覚めた。やたら風が強く、波の音も大きく聞こえる。外へ出てみるとやたらと強い風。ケータイで広島MICSの八島灯台の風速情報を見てみるとなんと10m/sに到達している。ちなみに他の天気予報では柳井の実況天気で1m/sとか。大島の天気予報でも風速5m/s程度だった。瀬戸内海とはいえ離島とは何と怖いところか。これだから海は怖い・・・。とりあえず、こりゃ八島行きはやめやめ。西の風なんで帰るルートは大丈夫だろうけど・・・。

 んで翌朝。朝方まで風が強かったけどだいぶ収まってきた。波は1mってところか。これなら八島へ行けなくもないが、またあの風が吹いたらどうだろう。天気図を見ても僕は夜中の風を予測できなかった。翌日の天気を予測できないと、八島から帰れなくなるかもしれない。サラリーマンじゃなかったら八島で停滞してればいいんだけど、そうもいかないので、やっぱりやめとくことにした。

 ふとトイレの横に五十谷展望台の看板を見つけた。見つけたからには行かなくてはならない。

 蜘蛛の巣だらけの道を登っていくと、今にも朽ち果てそうな展望台があった。

 島の伝承が書かれた看板が置いてあった。おもしろいなぁ。もしかしたら厳島神社はこっちかもしれなかったなんてね。

 展望台の上に登ってみると・・・。ちょっと危険。

 展望台からは、南西の海が見渡せた。八島の向こうを通る船舶が見える。

 さてもう一泊くらいのんびりしたいところだけど、もう帰ることにした。もし風が止まなかったら三島の東から出艇して風裏の北東側を回って帰ろうと思ったが、一周できそうだ。日差しはなく、風があるのでドライトップを着た。

 波は若干白波が立つ程度。風はそんなに強くない。今のうち今のうち・・・。

 横波を浴びながら漕いでいくことになった。この海でも馬乗り再乗艇ができるように練習した方がいいんだろうか。

 さよなら三島。

 関係ないけど、この辺で横波横風を浴びて漕いでるときに、ふとスターンラダーについてちょっと思った。リーンしつつ曲がりたい方向に体を向けつつ進行方向に平行にパドルを入れて、ほいでもって足を体の向いた方向に向けるのがいいかも?って。その方がスピードが落ちにくい気がした。

 不思議な岩。

 その不思議な岩と同じような感じのが崖の先端に少し残っている。

 紅葉はすこーし。

 西端まで来ると、八島は3つの島に見える。ここからなら4kmで八島へ渡れる。航路は定期船のみ。だいぶ波が穏やかになったし、この海況なら問題なく行ける。行くか?行っちゃうのか?と葛藤してみたが、やっぱりやめとこう。

 名残惜しくも櫛崎を回り込んだ。

 上荷内・下荷内が見えてきた。前回はこの辺からショートカット気味に渡ってしまったので、今度は海況横断を最短距離で行けるところまで行くことにした。

 赤い石がご神体という赤石神社。

 航路横断の前に、一旦上陸しようと思って上陸ポイントを探したら、大きな入り江の中に小さな浜を見つけてそこに上がった。アンパンで軽く昼食。

 突然海がバシャバシャ言い始めた。前に牛島でも見た。

 再び出航。ぷちホルンフェルスがあった。ホルンフェルスじゃないけど。

 赤崎のいっこ手前の岬。まっかっか。

 そこから法師崎へ。コンパスを0度にセット。流されてもいいから真北へ漕ぐのだ。全速前進!

 左右から2艇やりすごし、少し進めたが上関大橋の方から大型船がやってきた。そのまままっすぐ進めば僕の前を通過するが、ちゃんとした右側通行の航路に入るなら面舵、つまりこっちに向かってくる。どっちなんだい、オイ!

 どうやらそのまままっすぐ行くらしい。右から船が来てたら多分面舵とるだろうけど来てないからね。

 無事やりすごした。航路横断において以前のような恐怖感はなくなっているなぁ~。緊張するけど恐怖はない。見えるようになってきたんだろうなぁ。

 無事法師崎に到着。あとはのんびり帰った。やっぱり海は怖い。しかし前は「今そこにある恐怖」っていう感じだったけど、今回の怖いっちゅーのは将来の不安やった。明日はどうなるんだろう、自分の実力を超える海になったらどうしよう、とかそんなん。怖いのを克服するためには、やっぱりもっと練習して「こ、怖くなんかないんだからねっ」ていう余裕を見せんといけんのやろうかね。

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コメント

  1. mouji より:

    お疲れさまでした!八島には行けなかったんだね。秋は天候が安定してる日が多いと思ってたけど、なかなか自分たちの都合にはあわせてくれないね~(;_;)Qちゃんが二の足を踏む状況だったら、ボクはちびってますね。
    なかなかたどり着けない憧れの場所ですね。いつかはついていけますように。

  2. quickturn. より:

    ずーっと前に角島をまわったときの波に比べたらさざなみでした :wave:
    多分moujiさんがいたら行っちゃったと思います :smile:

  3. mouji より:

    いや~,そこの岬を周るくらい・・・だったらがんばれても,はるか先の島影を目指してだったらボクは行けませんよ~ :asease:
    でも,朝の海の色はきれいだね~。いつかご一緒させてもらいますね!!

  4. quickturn. より:

    >はるか先
    って言っても、そちらの方で言ったら油谷湾の出口を横断するくらいの距離ですよ~。

    >朝の海の色
    きっと日が差せばもっときれいなんだと思います。
    まだ日に照らされた透ける海を見ていないので、今度こそはいい時に行きたいと思います。ぜひ行きましょう~。

  5. fusai より:

    しみじみと・・良い海旅をされているなぁとうらやましく拝読。

    いいなぁ~
    島に渡れたら何と楽しいことだろうと思います。

    渡った先に、牛がいたところ。
    不覚にも笑ってしまいました^^;
    こういうアクシデントも旅のおもしろさでしょうか。
    印象に残りますね。

  6. quickturn. より:

    >島に渡れたら何と楽しいことだろうと思います。
    島を遠めに見て、いつか渡りたいなぁと思いながらもう何年も経ってしまいました。
    なんというか、やっと路上教習に出たような感じですね~

    >印象に残りますね。
    浜から上がって呆然としました。え?牛??って。
    夜になると帰っていきましたけど、おもしろいですね。

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