エスキモーロール(7) リバーススイープロール
スイープロールの回で軸変換という話をした。実はこれに気付いたのは、バックデッキロールを練習していた時だった。
スイープロールがどんなものか、CtoCがどんなものかなんて、起きればどうでもいい話。それぞれの合わせ技だろうがアタマで起きようが、そんなのはどうでもよかった。
でも、バックデッキロールをやろうとすると、なかなかうまく起きられない。そして到達したのが軸変換の意識。それがわかると、おぉ、スイープとCtoCはこう違うのか!という考え方に至ったという次第。
バックデッキロールは入水時に体をスターン側にまわして、沈するときはおなかから落ちていくらしい。リバーススイープロールは背から落ちていくらしい。
ていうか、どっちから沈するかっていうのはロールに関して言えばどうでもいい話。だが、バックデッキロールはフリースタイルプレイのひとつとして組み立てられることもあるので入水の方法も重要なのだろう。
起きるところは多分みな一緒。というわけで、起きるところを調子に乗って図にしてみた。

図1:よくある沈の状態
実際に沈するときって、体が伸びて下を向いてしまうことの方が多い気がする。ちょうどこんな図のように。覚えたてのCtoCをしようとすると、そこから体を折り曲げてセットしなくてはならない。でも、沈してしまうような状況では、セットすらままならないかもしれない。そんなときは、もうその状態から始動するリバーススイープロールで起きるのが早い。

図2:沈した状態
例によって見やすいようにスケルトンにしてみた。沈した状態が即ちセットの状態。他のロールと違って、フェザー角が効いてくるのでこの図で紹介する方向からのロールがおきやすい。

図3:ロール開始
沈した状態から、空を背にしたまま体を回し始める。このとき、体のひねりを十分に使うためには、今度は胸は水面下をずっと向いていることが重要。

図4:90度ひねり
ここまで来ても胸は下を向いたまま。そのまま体を回転させる。ここのあたりがこのロールの要。もっとも重要なポイント。ここまで来たら、横に出ている足を体の下に持ってくる。
この時もうひとつ重要なのが、パドルの左のブレード。このまま回転させると艇にぶつかって回転が止まってしまうので、ちょっと浮かせて艇をよけるのだ。

図5:ほぼ起きた状態
この辺にくると、艇の復元力が効いてくる。しかし、ふつうのスイープロールなどと違って下半身の分頭が高い位置になる。従って、再び沈しやすい状態にある。フィニッシュまでしっかり伏せて、上半身を曲げておこう。

図6:リバーススイープロール完成
最後に右のブレードでちょいとブレイスすると上がりやすいかも。終始下を向いておくことによって、上半身の回転を艇の回転にすることができるのだ。
こうしてみると、水中で伏せてセットする代わりにもうロールが完成しているということがわかる。できるようになると、CtoCやスイープロールが面倒になる。沈撮したあと起き上がるのにも便利。まさに病みつきになるロール?
それに、フィニッシュで上半身を後ろに反らさないので、スターンデッキが高いカヤックではスイープロールよりこっちの方が起きやすい場合もあるみたい。ひとつ確実なロールができたら、ぜひ挑戦してもらいたい。





