ローギアパドリング

 この前山を歩きながらふと思いついた。そういえば、登山の世界においても歩幅を小さくすることで疲労を軽減できるという話がある。これはまさに「ローギア」の考え方ではないか?!自転車のペダリングとカヤックのパドリングを比較しながら妄想を繰り広げてきたけれど、ロングツーリングローギアパドリング疲労軽減理論(?)がにわかに信憑性を帯びてきた!?しらんけど。


 ところで、自転車においては登り坂下り坂があるけれど、カヤックはずっと平地だしなぁ、ギアチェンジはあまりしないかなぁ、と考えていたが、よく考えたらカヤック(ていうかシーカヤックとかの方)は風の影響が大きいので(自転車でも大きいけど)、自転車の登り=カヤックの向かい風、と考えるとピタッと合う気がしてきた。

 自転車では登り坂にさしかかるとローギアに落としてペダルの回転数を維持しながら登る。短期的にはダンシング(=立ち漕ぎ)とかしてガツンと登っちゃえっていうのがあるけれど、長続きはしない(貧脚だからっていうのもあるかもしれんけど)。ローギアで同じ回転数だとスピードは落ちるけど、むやみに力を入れてスピードを維持しようと思って漕いだら疲労する。

 カヤックの向かい風も、短期的には(例えば「大型船が来ないうちにこの海峡を横断する」とか「あの風裏になるところまで」とかかな)漕ぎ方を変えて力強く漕いで進めたらいいけれど、それが長い距離続くようだともたない。やはりそこはスピードは落ちてもローギアに落として漕ぎ進めるのがいいわけだ。

 先日のロングツーリングで、向かい風の中6時間くらい漕いだんでしたっけ?あのときは速度が3km/hとかになって、こりゃイカンとガツンと力を入れて漕いでスピードを上げようと思ったけれど、ふと熟練の皆さんを見てみるといつもの調子で平然と漕いでいる。このスピードだと何時間かかるかわからないなぁと思ったけれど、「進みませんねぇ~」など笑いながらいつもの調子で漕いでいる(ように見えた)。そのペースに合わせて僕もいつもの調子で漕ぐようにしたら、結局そのまま何時間も漕いだけどそんなに疲労していなかった。あぁ、そういうことか、と今になってわかった。

 もちろん前に進まないくらいの向かい風だといつもの漕ぎ方では前に進まないわけで、いくらか速度アップを図らないといけないけれど、そこはやっぱり漕ぎ方を変えて力を入れて漕ぐ(つまりハイギアにチェンジ?)んではなくて、いつもの軽い漕ぎ方のままケイデンスを上げて速度を稼ぐ方が心拍数は上がっても筋肉の疲労は少ないってことよね?そりゃ前述のように短期的にはハイギアでダンシング的な?漕ぎ方もあるだろうけど、そこはロングツーリングかスプリント(?)か、向かい風区間が10kmなのか1kmなのか、それによって疲れてもいいのか疲れたくないのか、状況に合った方を選択するべきだろうなぁ。ていうかそんな風なら風が止むまで待つのが筋だろうけど。

 多分こんな考え方は誰にも受け入れられないかもしれないけど、ていうかそもそも大間違いかもしれんけど、いろいろ実験してみてやっぱり間違ってましたっていうのもよし、いや正しいって実証してしまうのもよし。まだ実証していない妄想の域を脱しないそんなレベルの低い話なんで積極的に人に話すことはしないけれど、パドリング妄想系の方がいろいろ考えるタネになるといいなぁと。そんな人いないか。

 

 話は変わるけど、以前にも書いたけど僕がワイドなブレードのパドルを選んだのは、シーカヤックを始めた頃に細いパドルではうまくロールできなくて沈脱しかけたことがあって、それのトラウマがあったためだった。パドルに頼ったら頼りない細いパドルじゃ頼れなかったってだけで、パドルに頼らなかったらなんでもいいって今ならわかる。

 逆にいうと細いパドルでロールやブレイスがきちんとできるってことは、パドルの力にあまり頼らずにロールやブレイスができるってことで、つまりロールやブレイスのときにパドルから体への衝撃が少なくなるってことで、つまり腕とか肩とか故障しにくいロールやブレイスを身に着けることができるってことなのかも、とか思った。これはたった今書いてて思いついた。

 ハンドロールとかいろいろ練習することは、どっちかっていうとパフォーマンスか或いはマジロールのときの余裕度をプラスするためのものだと考えたけれど、実は体を壊さないカヤッキングの習得につながっているのではないか!?これは絶対そうだ!間違いない!しらんけど。

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