「 錦川ネタ 」カテゴリー

台風被害で事前放流要望 岩国

中国新聞・地域ニュース '05/10/25
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200510250104.html
 委員は「ダムの放流が被害を大きくしたのではないか」と指摘。県は、「放流ゲートは堤体上部にあるため、貯水率が約八割になるまで放流できない」としたうえで、「ゲートより下にある放水量毎秒約二一トンの発電用放水口の利用を検討している」と説明した。

 事前放水に対して前向きで、事前放水で一体どれだけの効果があるかということは別として、市民の声を聞いてくれているという点で評価に値するだろう。

 委員側は周南、下松市の工場向けの送水管の活用も提案。「周南地域の川へも放流し、錦川の増水を抑えてほしい」と求めた。
 この送水管からは、毎秒約五・三トンの放流が可能。非常時には、周南市の東川への放流ができるという。山口県の担当者は「企業局と相談したい」と答えた。

 今回の水害ではMAXで毎秒492トンの放水が行われた。発電用21トンと工場向け送水管5.3トン、合計毎秒26トンの放水では、18倍の時間がかかる。

 例えば平均毎秒100トンを8時間放水し続ける必要があるような降水を想定した場合、それを全て貯めようと思えば事前に30時間放水し続けておく必要がある。そんな事前には、これだけの降水を予測することは不可能だろう。

 実際にはダムへの流入ピークを外して放水することができればよいので、全てを貯める必要もない。うまく使えるかどうかわからない事前放水手法とは別に、放水タイミングの検証を進めてほしい。

 また、県は今回のダム放流による錦川の水位について「下流の岩国市の臥竜橋地点で約二十二センチ上昇したと推測できる」とした。

 臥竜橋って180mくらいあるようだけど、それで22cmってことは、川幅60m程度の南桑では、3倍の66cmは水位があがるのではないか。もちろん流れる速さや地形など様々な要因が関係して、単純に反比例というわけではないだろうけれど。

 臥竜橋ばかりでなく、被害の大きかった南桑ではどうだったかも情報として必要だろう。一体どれだけ影響があったのか。60cm水位が下がったら、被害はどれだけ抑えられていたのだろう。

 次は、下流域の(菅野ダムによらない)洪水のピークと、菅野ダム・生見川ダムなどの最大放水の到達時間を検証して、さらに前向きな検討を進めて欲しいと願う。

浸水時の放流状況説明 菅野ダム

中国新聞地域ニュース '05/10/16
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200510160067.html
 「ダムが無かった場合は美川町南桑で水位が、さらに一メートルは高くなっていた」とするグラフを示し、ダム効果への理解を求めた。

 被災者が聞きたいのは、ダムの効果はあった、という回答ではなくて、せっかくダムがあるのにもっと治水に活用できるんじゃないか?もっと被害を抑えられたのでは?ということではないかと思う。だから、事前放流を求める形になるわけで。

 災害を抑える方法は、事前放流が全てではないはず。もっと他にできることはないのか。もう思考が停止してないか。効果があったんだからいいじゃないかという言い訳よりも、「事前放流なんかよりもっといい方法が見つかりました!」「こうすれば、あと30cmは水位を抑えられます!」などという前向きな提案をして欲しいと思う。

温井ダム 住民サイドの対応を

中国新聞 社説 '05/10/10
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200510100060.html
 国土交通省中国地方整備局は「操作規則に従い、放流した。ピーク時には毎秒五百八十トンがダムに流入しており、結果的に毎秒百八十トンの水量を食い止めた治水効果は大きい」と説明する。事前放流しなかったのは「利水用として常に一定量を確保しなければならない」というわけだ。

 温井ダムのことはウォッチしてなかったけれど、やっぱり「治水効果はあった」で済ましている。効果があって当然。そのためのダムだろうに。データを示して、納得のいく説明をすればいいだけのこと。毎秒400トンを本当に流す必要があったのか。流さなかったら、ダムはあとどのくらい水を貯えられたのか。流した結果、下流域の水位がどのくらい変わったのか。毎秒400トンという放流量が、太田川本流の水位にどのくらい影響があったか。ダムがなかったらどれくらい被害が大きくなったか。流入量を全て貯えたら、浸水家屋が何戸減ったか。データを並べて説明すればよい。自然を壊してまで人間を守るために作ったダムなんだから、これだけの効果がありましたって自信を持って発表すればいい。毎秒400トンってささいな放流量なんです、毎秒400トン流したってちっとも水位が変わらなかったんですって言えばいい。それができないんだったら、やっぱり無駄なもん作ってしまったんじゃないかとしか思えない。

 その六時間前までは毎秒十トン余りの放流だった。洪水調節用として貯水には余力があったのに、なぜピーク時に大量放流したのか。豪雨に備え、なぜ事前に少しずつ放流しなかったのか。被災者が疑問視するのは当然だろう。

 任意期間ダム諸量検索結果を見ると、最大流入量毎秒580トンを迎えるピーク時の前に既に96%以上も貯水しているし、これでは580トンのうち180トンしか貯められないわけだ。そんなことになってるから洪水調節もその程度しかできないわけで、これでは事前放流をって言われても仕方がない。データをよく見ると、多少は事前放水をしているようだ。でも、あっという間に貯まってしまった。やはり、もっともっと事前に貯水量を減らしていれば、毎秒400トンを流す必要もなかったんでは?素人目には、そうとしか見えないのだけど、利水のためなら仕方がないっていうんでしょうね。あ、いや、毎秒400トンを流したところで微々たるもんでしたかね。ていうか、ダムがなくて毎秒580トンが流れてたら大災害になったけど、毎秒400トンで済んでよかったね、大した被害でなかったしね、ダムの効果があったね、って言われても、納得できないでしょ。納得できるように説明したらいいのに。事前放水して雨が降らなかったらどうするの、渇水になったらそれで文句いうんでしょ、利水のためには仕方がない、治水と利水は両立しないんだ、っていうのであれば、いつもからっぽの治水目的だけのダムをもう一個作らないと、みんな納得しないんでは?

台風14号で変わった錦川2

根笠の瀬

 10/9の夕方に、錦川を見てみました。いつものカメラが修理中で、30万画素の古いカメラで撮影していますので、画質がよくないですが、とりあえず。以前確認したときの内容も合わせてご覧ください。

南桑水位1.15mとかなり水が少ない状態ですが、根笠のウェーブのあったところは土砂で埋まったのか流れが変わっています。岩にぶつかるような状態です。

根笠の瀬 ちょっと下に多少ウェーブがありますが、水量が多くても乗れないでしょう。

南桑の河原 南桑のウッドビレッジ前の河原は目下工事中。ダンプが何台も河原に下りて大量の土砂を運び出していました。キャンプできるのはまだまだ先です。

南桑の河原下 南桑のウッドビレッジ前の河原の下流の瀬。南桑水位1.15mとかなり水が少ないのですが、ご覧の通り干からびています。右岸側の流れは完全に切れています。

椋野の橋の下 椋野の橋の下。以前見たときは橋脚の下流に中洲ができていましたが、写真のように掘ってあって、右岸側へ積まれていました。

小郷の河原 小郷の河原(日本一の自動販売機の下の河原)は泥で埋まっています。以前のような玉砂利の河原に戻るのはいつでしょうか。

日本一自販機 日本一の自動販売機。今では、自動販売機が全て外に出されています。日本一自動販売機が壊れた場所になってしまいました。

日本一自販機の新しい自販機 でも、新しい自販機が4台導入され、うち3台が稼動していました。最近の学校ではゴミ箱がなかったら缶をそこに置いていくように教えているのでしょうか。この光景を見ても、ゴミを持ち帰ろうという気は起きないのでしょうか。これだけひどい状態になったのに、缶拾いまで強いるのでしょうか。ちなみに、ここのトイレは使用できません。

すぎやま食堂下の河原 すぎやま食堂下の河原(通称道の駅風キャンプ場)はボロボロ。河原に下りるスロープは砂が堆積してスタック必至。上の駐車場も堆積した砂がとり除かれるに至っていません。現状、残念ながら、まだまだキャンプには適さないようです。

北河内の橋の下 北河内の橋の下。やなを過ぎてすぐ、流れが橋脚に当たるようになっています。水量が少ないと特に問題なさそう。水量が多いときには注意が必要。やなには、右岸側にわかりやすい船通しもついています。

沈下橋下流から 細利沈下橋。橋脚に大量のゴミがひっかかっており、通れる幅が非常に狭くなっています。艇をうまくコントロールできないと危険です。

沈下橋上流から 上流から見るとこのとおり。

台風14号1カ月、完全復旧は遠く

中国新聞地域ニュース '05/10/7
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200510070006.html

 台風14号から一ヶ月。台風後、初めて南桑に入ったときの心臓の高鳴りは今でも忘れられません。粉塵が舞い、泥に塗れ、自衛隊が多く入っていて、とても言葉には表せない雰囲気の中、私みたいな部外者がいくら手伝いとはいえここに来てはいけなかったんじゃないか、とさえ思いました。その光景を目にして、台風の翌日に「薪がたくさん流れて来たんでしょうね」なんて南桑の人に電話して話してたことを後悔していました。

 こうした中、行政による対策が本格化しつつある。岩国市は災害対策費として、七日の市議会臨時会で約十二億五千万円の一般会計補正予算案を提案。十二月の市議会定例会でも追加提案する予定で「総額二十億円を見込む」(総務部)という。

 岩国市の災害対策費が総額20億円。小泉総理の鶴の一声で必要になった選挙費用は770億円。この国は一体どうなっているんでしょうか。

 県は九月二十九日から、美川町内の二カ所で錦川のしゅんせつ工事を始めた。堆(たい)積(せき)した土砂計約三万立方メートルを約一カ月かけて取り除く予定で、河床の掘り下げも検討している。

 堆積した土砂が約三万立方メートルですか・・・。あの南桑の河原もその一部でしょうが、そんな量の土砂、一体どこから流れてきたんでしょうね。菅野ダムの底にたまってたんでしょうかね、と穿った見方をしてしまいますが。

 そんな工事、約1ヶ月かかるそうで、一箇所に1ヶ月かけるかどうかはわかりませんが、そんな状態ではまだまだ河原でのキャンプは以ての外、川床を掘り下げるとなるとまた流れが変わるうえに工事中はダウンリバーは危険です。これからいい季節ですが、錦川ダウンリバーをご検討中の方は、十分にご注意ください。

 川底を掘り下げ、護岸ができると、錦川もだんだん汚れていくでしょう。悲しいけれど、人間は暴れる者から自分の身を守るには、傷つけることでしか解決することができないのでしょう。

9月定例会代表質問・豪雨治水対策の確立を

TYS NEWS CATCH '05/09/26
http://www.tys.co.jp/news/20050926.html

9月定例県議会はきょう代表質問が行われました。台風14号の大雨による被害を受けて二井知事は総合的な治水対策を確立しなければならないとの考えを示しました。9月定例県議会の代表質問で自民党の森中克彦県議は台風による被害を踏まえて今後の県の防災対策について質しました。=二井知事「今後もこのような豪雨が多発することも念頭において長期的、短期的両面からの総合的な治水対策をあらためて確立しなければならないと考えております」=二井知事はこう述べ、学識経験者でつくる県河川委員会でダムや河川の改修を検討し、優先度の高いところから整備したいとしました。また氾らんで大きな被害をもたらした錦川については、モデルケースとして県河川委員会で洪水の発生状況を検証し、対策を検討していくとしています。このほか、きょうの代表質問では警察署の再編整備について質疑がありました。篠宮県警察本部長は来年度に周南地区と下関地区の警察署の再編整備を検討していることを明らかにしました。周南地区では周南西署、また下関地区では下関水上署の再編が検討されています。

 治水という名のもとに護岸工事され、川で遊べる環境がどんどん減っていく。今回の錦川流域の洪水の原因とされている宇佐川などダムのない河川にも、でかいダムが作られていくのだろう。所詮、遊びは遊び、川は壊せば壊すほど金が降ってくるわけで。

 錦川流域の人たちは、自然のままの清流であることと、コンクリートに囲まれて、少々川が汚れても洪水が起こらなくなることと、どちらを望むんだろう。いつまでも清流錦川であり続けるために、護岸やダムをこれ以上増やさないで欲しいと思うのは、そこに住んでいないから言えることなのか。

 しかしまずは、あの忌々しき台風14号の豪雨で、菅野ダムをどのようにコントロールしても浸水家屋を減らすことは本当にできなかったのかをしっかり検証してほしい。放流方法は適切だったと言い張るばかりでなく、今の「適切」よりもっと適切な方法がなかったか、あの状況で水位を1cmでも下げる方法が本当になかったか、あらゆる可能性をシミュレーションしてほしい。ダムを作る金がポンと出るなら、そのくらいの微々たる額は出せないはずがない。

 そこに住んでいない私らができることといえば、台風がデカくならないように地球温暖化を防止すること。そして、平瀬ダムに沈む木谷峡で、今のうちにたくさん遊ぶこと。つまり、夏の暑い日は家に閉じこもってエアコンをつけたりせずに、外へ出て、木谷峡・錦川で遊ぶということか。

冠水被害・岩国市会全協でダムの放水質疑

TYS NEWS CATCH '05/09/21
冠水被害・岩国市会全協でダムの放水質疑

http://www.tys.co.jp/news/20050921.html

台風で冠水の被害を受けた岩国市で市議会全員協議会です。冠水の原因となった錦川の氾らんと、上流にある県営菅野ダムからの放流の影響を調べるため県の担当者から状況を聞きました。岩国市議会の全員協議会では県の土木建築部や菅野ダムの担当者らが台風の時の対応や状況を説明しました。岩国市では台風14号で錦川が増水し郊外の藤河と多田地区を中心に1,299世帯が床上浸水するなど大きな被害が出ました。錦川が増水した影響の原因として菅野ダムの放流も影響したのではとの意見も出たことから全員協議会が開かれました。協議会で市議は大量の雨は予測できたはずで治水に対する考えが甘いのではないかと県の姿勢を質しました。これに対し県の担当者は台風の前は菅野ダムの水面が放水口より下にあり事前放流はできなかったとしました。また過去最大の雨量をため込み放流を抑えたことでダムの調整効果は果たしたとの考えを示しました。岩国市議会では災害復旧対策特別委員会を設置し、今後の対策を検討するとしています。

 いろんな意見を見て聞いて、個人的なダムに対する考え方は多少変わって来た。確かに、データを見る限り調整効果はあったと思うし、ダムがなければもっとひどいことになっていたかもしれない。ただ、放流タイミングが適切だったか、そのタイミングで放流する必要があったかについて述べて欲しい。そのタイミングで放水しなければ、家屋の浸水も防げたケースがたくさんあるのではないか。既に洪水が始まっていたから放水しても問題なかっただとか、そんなことを言ってるうちは効果を信じたくても信じられない。

 さらに、平瀬ダムがあったとして、今回のようなケースで洪水は防げたのか、検証してほしい。知事が言うように、洪水の原因がダムの放流ではなく、宇佐川など他の支流の増水だというならば、平瀬ダムがあったとしても洪水は防げなかったのだ。それならば、治水効果のない平瀬ダムに多額の税金を使う必要はない。そんな金があったら、今の被災者の復興資金にまわして欲しい。こういう中途半端なことばっかり言っているから、税金を使うためにダムを作っているように思われるのだ。納得のいく説明をして、理論的に効果の証明をしてほしい。

台風14号で変わった錦川

 台風14号による増水により、錦川の流れは各所で変わっています。道路から見える範囲で気づいたポイントのみですが、書いていきます。まだ実際に下ってみたわけではありません。川底には何が沈んでいるかわかりませんし、その他もたくさん変化があると思います。カヌー・カヤックでダウンリバーをする際には、下ったことのある方でも、スローロープなどの装備は万全にし、瀬の前にはスカウンティング(下見)を行って、十分に注意して事故のないようにダウンリバーを行ってください。また、くれぐれも初心者だけのダウンリバーは行わず、適切なガイドの下にダウンリバーをするようにしてください。

友廻の瀬
  • 右岸側に通れそうなストレートの流れができています。以前もありましたが、大きくなっているような気がします。初級者はこちら?
  • 中級者は、中央から進入し、大岩の左岸を抜け、下の中岩をよける形がいいかもしれません。
  • 左岸側に落ち込みができています。上級者はここから落ち込んで中央の大岩の左岸側を通り抜けるコースも取れるかもしれません。
  • 長走の水力発電所前
  • 沈下橋が落ちており、一枚の半分が川に入っています。特に危険という感じではありませんでしたが、川底に何が沈んでいるかわかりませんので十分に注意を。
  • 根笠の瀬
  • サーフィンスポットだった根笠の瀬は、流れが岩に当たり左右に分かれるような形になって、ウェーブは消失してしまいました。岩に張り付かないように。特に初級者やインフレータブル・ファルトボートは張り付くと非常に危険ですので上級者がケアしてください。
  • 南桑の河原の上流の瀬
  • 長いストレートの瀬ができました。特に危険な雰囲気はないようです。
  • 南桑のウッドビレッジ下の瀬
  • 右岸側のコースは水量が少ないと通れません。左岸側のコースを取ると、大岩へまっすぐ流れが当たっていますので、十分なコントロールができない人は船を下りましょう。
  • 椋野の橋の下
  • 橋脚の下流に中洲ができており、右岸側は細く流れが早いようでした。岸からはみでたゴミや枝に注意し、川底に危険な障害物がなければ、こちらのルートもいけるかも。
  • 北河内の橋の下
  • 水量が少ないと川幅が狭くなり、本流が橋脚にぶつかるようになっています。張り付く危険があります。
  •  まだまだ流れが変わっていることが推測される気になるポイントはいくつかありますが、実際に下ってみないとよくわかりません。全く初めての川だと思って、気をつけてダウンリバーをしてください。調査できたら、リバーマップでも作りましょう。

    9/19 今日の錦川とボランティア

    河山のトイレ

     9/19 朝、和田さん宅で目が覚める。既に和田さんは起き出していて、前日に使用したものを洗ったりしていた。食事を頂いて、さすがに載せたままでは南桑に入れないということで和田さんはカヤックを下ろした。私は載せたままでいくしかないんですけど・・・。

     和田さん宅を集合場所にしていたので、UCちゃんもやってきて、いざ出発。どうも雨模様。しかし、南桑についたころには落ち着いていた。

     既に作業が開始されている中、シーカヤックを積んでいるためなんとなく恐縮しながら南桑の中心を通り抜け、和田さんの事務所前に私の車を置いて、和田さんの車で河山へ。河山の下の駐車場に停めて、美川町コミュニティセンターの建物へと入った。

     受付を済ますが、ちょっと時間が遅かったからか、閑散としていた。しかも、現時点でできることがなく、ボランティアセンターの閉所に合わせて掃除をしていたのでそのお手伝いをちょっとだけした。

     そうこうしているうちに昼からの仕事が決まったので、ちょっと早めの昼食のあと、出発。今回のリーダーはKさん。和田さんとも顔見知りのようで、この方、先日ボランティアで入ったときも食事を被災者の方に届けていらっしゃった。

    美川中学校  美川中学校へバスで移動した。美川中学校は、校庭にロッカーや机が出されていた。ただ、どれも泥はきれいに落とされていて、あとは内装が終われば運びこむのを待つだけといった感じ。そしてそのすぐ近所のお宅の倉庫を担当。崩れかけ、泥にまみれた倉庫内から必要なものを取り出した。どこかに砥石があるらしいということだったけれど、見つからず、それがないと仕事にならんのじゃとおじいちゃん。でも、後からおじいちゃんの記憶にあった場所とは違うところから発見され、ひと安心。一通り荷物を出して泥を出したところでここは作業終了。倉庫が崩れそうだから危険ということで、残念ながらひとまずこのままに。こういうところが素人ボランティアの限界か。

     美川中学校へ戻り、今度は倉庫の撤去作業のお手伝い。そうしているうちにKさんに呼ばれ、再度おじいちゃんのところへ。気をよくしたおじいちゃんが、倉庫をさらに手入れしたかったみたいで、その作業を手伝うことになったのだった。本来だったら15:00で終了する決まりだったけれど、最終日ということで、ちょっと居残りでもいいことになっている様子。というわけで継続して作業を行った。

     倉庫の泥をかき出して、そこに新しい土を盛るということだったけれど、盛るべき土があるところはなぜか土地の境界線を示す杭の向こう。これって、よその土じゃないの?ってスタッフの方がおじいちゃんに聞くと、おじいちゃん、笑ってました!というわけで、泥を出して消毒するところまでしかできなかったけれど、それで作業終了。

    堆積した泥  ちなみに泥は、厚さ3~5cmほども堆積している。川の流れからして、ここはそんなに土砂が堆積しそうな地形じゃないところ。それでこんなだから、ひどいところはもう計り知れない。しかもこれが粘土状に固まっていて、シャベルですくうと粘り気があってシャベルから離れない。また、密度が高く、かなり重い。こんなのが、まだあちこちにたくさんたまっているのだ。おじいちゃんとこの畑も、まだまだ一面この泥がかぶっている。畑が元に戻るには、まだまだずっと後なんだろう。

    ボランティアセンター閉所式  4時頃だったかな、コミュニティセンターへ戻ると、スタッフの皆さんが「お疲れ様でした」「ありがとうございました」って言ってくれる。建物の中に入ると、スタッフの皆さんがボランティアセンターの閉所式をやっていた。集合写真なんかも撮っていた。まだまだ支援は続けていかなければならないようだったけれど、でもここまで連日やってきたのには、いろんな思いがあるのだろう。スタッフの方もボランティアだろうに、涙を見せる方もいらっしゃったりして、その感慨はきっと私らには想像ができないんだろう。

     その後、一旦南桑へ戻り、風呂でも入ろうということで、川を見ながら雙津峡温泉へ向かう。そして、とうとう見つけた。錦川が抹茶ミルク色の訳を。沈下橋が壊れたところの水力発電所から流れ出る水が汚れているのだった。多分、取水口の方はまだまだ泥水なのだろう。ここから上流は底が見えるほどきれいになっている。途中、どうしても友廻の瀬を見たくて停めてもらった。流れがかなり変わってしまったようだ。今までだったら川の中央から入っていって、大岩の右岸側を下るのがベストコースだと思うけれど、今となっては左岸側の方がいいかも。ただ、左岸側はそのあと中岩が待っているので、これまた要注意。瀬に突入するところのもっとも左岸は大きな落ち込みができているようで、こちらからのアプローチもいけるかもしれない。右岸のはしっこの流れはちょっと大きくなっていたので、初心者コースとしてはこちらが使えるかも。

     そんなこんなで憩いの家へ。なんと、ボランティアに来ていた人には無料解放だそうな。スバラシイ!汚れたままの格好で、しかも長靴で来ててよかった!なーんて・・・。いい湯加減で暖まってさっぱりして、気持ちよかった。ちなみに、憩いの家は石鹸はありますが、シャンプーなどはありませんのでご持参ください。

     会社での雑談で、「この連休はどこいくの?」「山口の災害復旧のお手伝いに」「山陽道の崩れたところか!」というくらい、他県ではこんなことになってるという認識がない。山口県内のニュースソースでも、そろそろ喉元過ぎたようだ。多分、美川町でなければ、こんなにも情報は集めなかったと思うし、現状を知らないまま普通の生活を送っていただろう。そして、今も、その他の地域の状況については、私は何も知らない。情報が全体的に不足しているし、伝達する方法もよくわからない。なので、もし一人でもこのブログをきっかけにボランティアに参加してくれた人がいたらいいなぁ、と思った。そしてまた、どこかへ出かけて行きたいと思う。そういう風に思えるようになったっていうだけで、ある意味台風14号のおかげ、かな。

     美川町災害ボランティアセンターのスタッフの皆さん、お疲れ様でした。いろんなことを教えてもらいました。ありがとうございました。まだまだスタッフの皆さんは作業を続けられるんだと思います。お体に気をつけて、これからも頑張ってください。

    9/17 今日の錦川とボランティア

     朝、岩国ICから下りて川沿いを上流へ向かった。台風14号が来たあとでこの道を通るのは初めて。開通したばかりの錦橋のところは、片側交互通行のため、3方向が順番待ちになり、少々待ち時間が長かった。

     川面はまだ抹茶ミルクの色をしており、清流と呼ぶには早すぎた。北河内の橋の下は、流れが橋脚に当たるようになっており、注意が必要。インフレータブルカヤックなど張り付きやすい艇種は艇のコントロールに自身がなければ下りた方がいい。 小郷川からは相変わらず茶色の水が流れ出る。先週よりは薄くなったようす。 そこにある日本一の自販機は先週までは倒れていたが、起き上がっていた。廃棄を待っているような感じでもある。カヌー工房のところには鉄骨で屋根ができていて、看板も見えるところに置いてあった。徐々に復活の兆し!

     すっかり落ち着いた雰囲気の南桑。といっても、まだまだ被災復興の作業は続いているのだろうが、どの家でも作業をしているような感じではなかった。まだ作業が始まるような時間ではなかったということもあるかもしれないけれど。先週は南桑でもボランティアを受け付けていたようだが、南桑ではもう受け付けていないようで、河山まで行くことになった。

     先週は正式(?)なボランティアとして働いたわけではなかったので、美川町コミュニティセンターに設けられたボランティアセンターに入るのは初めて。南桑で受け付けをして、のつもりだったので、ちょっと車に乗っていくことに罪悪感を感じつつも、河山の下の駐車場に停めて、デッキブラシなど持ってセンターに入った。

     受付を済ませて、名前を書いたガムテープを腕に巻かれた。化繊のTシャツには粘着力が弱かったようで、すぐに取れた。その後、しばらく待機。第1陣は既に出発しているようで、現場へ行く車がないのだった。

     7人のグループが結成され、リーダーを拝命。きっとセンターの方と目があったからだ。皆さんと夏宿というバス停のところの現場へ移動し、早速作業開始。解体された家屋の木材をトラックに載せる作業。それはもうものすごい埃。後から鼻の穴に茶色い物体が溜まっているのを確認した。マスクしていたのに。

     目の前の川は清流が帰ってきていた。そのとき、ラフトに乗った一団が奇声を上げて下ってきた。飛び込んだりもしている。錦町のNEOさんところだ。まぁ和田さんところには海があるけど、NEOさんところは川しかないので、しかも今が稼ぎ時、あまり言うまい。まぁでも実際真っ黒になりながら作業しているところで見るとちょっとね・・・

     昼食は河原に下りることを提案し、みんなで下りた。川で手を洗い、顔を洗う。いつもだったらこのままダイブなのに、今日は長靴で水没しないレベルまでしか入れなかったのが残念。

     そんなこんなで15時頃まで働いて、大体作業は終了、スイカを頂く。ウマイ。そして、南桑で汚れたものを洗わせてもらって、帰宅へ。って、まだ岩国だけど。

     被災したのが美川町じゃなかったら、こんなことしてなかったんだろうなと思う。まぁいいきっかけになった。テレビニュースで知りえる情報と実際の現場とがこれほど違うんだってことに気付いただけで、今回の台風14号は(不謹慎で結構)十分な収穫だったと思う。

     我も、と思った方は、美川町災害ボランティアセンター公式ブログを。


     ちなみに、カメラを忘れたので写真はありません・・・。

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