8/2 北岳 day2
北岳2日目。広河原から山頂目指して標高差1700mを一気に登る。
前述のとおり、当初の予定より長く歩かないといけなくなったため、多少早めに出ることにした。とはいえ初めての道。ずっと暗い道なのも心配で、そうこうしているうちに出発は4時10分となった。
写真では明るく見えるけど、真っ暗な中でヘッドライトの明かりのみ。でも肉眼では空はうっすら青いかな。
そんなことより二股まで3時間って。そんなにかかるのか。
沢沿いをゆっくり歩いて行く。大樺沢というだけあって、ドウドウと水が流れていく。その沢をあっち行ったりこっち行ったり、誰かがかけてくれた橋を渡って進んで行った。
午前5時。明るくなって、快晴の空に朝日に照らされた北岳の峰が現れた。このまま晴れ続けてくれたらいいのだけど。きっとそうはいかないのだ。
午前6時。大樺沢の雪渓が現れた。8月なのに雪がある。それだけでも驚きなのに、それもこんなにたっくさん。日本にこんなところがあったのか。
午前6時22分。大樺沢二俣へ到着。予定よりずっと早かった。とはいえ既に標高2200mを越えている。今まで登った西日本のどの山よりも高いところにいるのだ。未知の世界への入り口。焦らないように、重いザックを下ろして、少し長めの休憩をとった。
・・・という感じで、ここからは大お花畑だった。そもそも名前を知らないのでこうして調べて書いているのだけど、それでもよくわからないものがあった。
下ばかり見て登っていたが、結構高いところに来たことに気づきふと振り返ると、そこには初めて対面する鳳凰三山があった。真ん中の一番高いところが観音岳、その右のふにゃふにゃっとしたのが薬師岳。左のトンガリが地蔵ヶ岳のオベリスク。その左のまるいのは高嶺。あぁ、次に来るときはあの山々に登ろう、そう思った。
午前9時。花を撮影しつつ、休みつつ、ゆっくりゆっくり登って、この登りで2時間くらいかかったようだ。逆三角形の空が見えたら、それは小太郎分岐点。やっと稜線に到着。
分岐点で休憩している人たちが突如ざわめいた。なんだろうと振り返ると、そこには雷鳥の親子がいた。もちろん初対面である。かわいいってもんじゃない。しかしこの写真じゃ保護色感たっぷりやな・・・。
なので、わかりやすくズームイン!でもこの一枚に写ってないのがもう一羽いるんだけどね。
なだらかな尾根道を北岳へ向かう。振り返ると小太郎尾根が長く続いている。初めて見る、アルプスの尾根の道。写真や映像でしか見たことがなかったそれが、今目の前にある。
そして右手には仙丈ヶ岳。あぁ、鳳凰三山の次はアレだな。うん。
9時46分。標高3,000mの北岳肩の小屋に到着。ここまでおよそ1,500m登ってきた。一日でそれだけ登ることも初めてだし、しかもテン泊装備を担いでなんてもちろん初。そして何より3,000mに達するのも初めてのこと。ここでしばしまったり、と思っていたけれど、なんだかそんなに疲れてないので小休止だけにして先に進むことにした。いや、団体さんがやってきたのでそれより先に行こうというのが主な理由だった。
見よ、あれが北岳山頂だ。たくさんの人が山頂に集まっている。もうすぐ、もうすぐ。
10時40分。来た。とうとう。北岳の山頂に立った。来てみたらあっけないけど、ここへ来るまでの心の壁は大変大きかった。それも打ち破ることができた。I can say nothing without ヒャッハー!!!
残念ながら山頂は少しガスが出てきたけれど、しばらく景色と達成感の余韻に浸ったあと、北岳山荘へ向かって稜線を下って行った。
そこからの道も、そこかしこに様々な花が咲いている。興奮して山のように撮影したから山のように乗っけてみるのだけど、そろそろこの辺にしておこう。
この尾根道、登山地図上はそんなに危険な場所としては記載されていないけど、足を踏み外したら死ぬなぁ、っていうところはいくつもあった。
この鳥がぴよって鳴くわけでもないんだけど、なんとなくpiyoっていうイメージで。
尾根の先に北岳山荘が見えてきた。いくつもテントが見える。あそこにテントを張るのだ。
12:40。無事到着。思ったより早くついたので、なかなかいい場所にテントを張ることができた。
担ぎあげたペットボトルのボジョレーヌーボで一人乾杯。充実感を飲み干した。