7/4 大崎上島北側周遊シーカヤックツーリング
前日の白い海から一転!青い海に漕ぎ出した。
たった一日で20以上の島を回れてしまうのは瀬戸内海ならでは!題してたきびさんと行く大崎上島北側アイランドホッピングシーカヤックツーリング(長)! 26.6km!
朝のうちはまだ霧が出ていたが、11時前に全て消えた!土曜日よりはよくなる予報だったけど、こんな青い空が広がるなんてさすがに想像していなかった。大変素晴らしい漕ぎ日和となった。いやちょっと暑いんですけど。
ここはうちから最寄の海水浴場だけど、潮流は早いわ船舶の往来が激しいわでなかなかレベルが高いところ。特に大崎上島とこの海水浴場の間はほぼ10分に一回フェリーが通過し、それ以外にも高速船や貨物船が往来する。今まで怖くてっていうか技術的な問題でなかなかこれなかった。阿波島方向にちょっと漕ぎだすくらいがせいぜい。
しかし今や政府のフェリー削減政策のせいで中四国フェリーはなくなった。航路がひとつ減ったので、少しだけ難易度が下がった。そして、臆病だった少年(言い過ぎ)は、シーカヤックを初めてはやウン年。手練れのカヤッキストにたくさんの経験と練習をお付き合い頂いたおかげで、今や落ち着いて横断できるようになったのだ!もう、渡る前から緊張して息が上がることもない。航路がわかる。見える。今ならいける!いざ大崎上島!と酒飲みながらブログを書くとちょっと大げさなのである。
というわけで2010年は自信をもって、今まで行けなかったところへ行っちゃうぞ年と定め、いろいろ計画してみているのだけど、そうは言っても竹原港の前は大変な危険地帯。ルート的には阿波島~唐島経由で行くのが、横断する航路を限定することができていいと思ってその予定だったのだが、出艇してすぐにちょうど目の前をフェリーが通過していったので、たきびさんと相談して行っちゃいましょうということにした。で、結局やっぱりここは漕がないと誓うことになるのである。
だってねぇ、向こうからやってくるフェリーが潮流に流されるせいかフェリーグライドでやってくるわけですよ。大型船がどういうルートでくるかはバウの向きを見て判断するのだけど、フェリーグライドでこられるとバウの向きと進行方向が違うので、そりゃもう怖いよ~。右側通行なのになんで左向いてんの?こっちくんの?航路はもう渡ってるはずなのに?えーー??ダッシュー!!なんてマジ漕ぎしても、向こうからやってくるフェリーのバウはこっちにロックオンしたまんまなのだ。シロウトにはまだ難しい。やっぱり今度からは唐島経由にしよう。
もともとは大崎上島を周遊するキャンプツーリングの予定だったけど、日替わりじゃなかった日帰りツーリングになってしまったので特に予定はナシ。この辺の航路の具合が読めればよかったのでもう目的は達成されたようなもんだ。なので、大崎上島周辺の島々をめぐってみようということで、航路を横断した目の前にある生野島を散策してみることにした。
生野島は、地図で片眼で見ると「上!」と叫びたくなるような形をしている。北北東に向けて月之浦というのかな?湾が口をひらいている。まずはその湾の中をめぐってみた。
これは湾の中程にある名もなき小島。でも地図に載ってないだけで名前がついているのかもしれない。
湾内はというか島全体が広葉樹で囲まれた緑が豊かな島。でもこういう建物を見ると、昔はみかん畑だったのかもしれないと思う。小屋の裏にモノラックのレールがあるから、船でやってきてみかんを収穫したりしてたんじゃないかと。
とりあえず生野島を時計回りに漕いでみようということで、東岸を南下してみる。すると、突然きれいな石組みの堤防が現れて、きれいな砂浜が視界に入ってきた。後から調べてみると、「生野島自然休養村」の「馬取海水浴場」だそうだ。きれいなトイレやシャワーも完備。夏だけかもしれないが水もでた。奥にはテニスコートさえある。砂浜は一部草が生えていてテントが張れそうなキャンプ適地!こりゃいいや~と思ったけれどキャンプは禁止なのね。いや看板の読み方によってはもしかしたら・・・。でも山の上にはバンガローがあったりして宿泊施設完備なのでキャンプ禁止にしててもおかしくはないかも。
もう昼のいい時間。前日に食べ過ぎたので朝は食べてなくて、でも昼食も食べられるのか?と心配するくらいだったのだが不思議と腹は減るものだ。日陰ができるのはここだけかもしれないし、あずま屋の下で昼食をとることにした。ふたりとも炊飯。僕のは失敗。
大崎上島と竹原を結ぶフェリーがひっきりなしに通過する。その航路を見てみると、この馬取海水浴場のすぐ前に黄色いブイがあって、往路も復路もブイの手前を通過していた。
ブイは下が黒くて上が黄色。これは南方位標識だとすると、フェリーはこのブイの南側を通過するのが筋だと思うのだけど。これは一体・・・。
ともかく、航路が狭められているのでシーカヤックで渡るならココがベストかと。
フェリーのどの便も結構たくさんの車を運んでいる。橋がかかってない分、フェリー削減政策の影響を受けることなく需要があるのだろう。
まったりできる浜でこのままずっと居続けそうな感じもしたけれど、ここまでわずか6kmほど。せっかくの梅雨の晴れ間。今回はシーカヤックをしにきたので漕がないとモッタイナイ。引き返す時間を決めて、未知なる海域へ漕ぎ出すことにした。まずはとなりの船島へ。
そこから木臼島へ漕ぎ出した。その間に右手に見える工場の島、契島。一般人は上陸禁止だそうだ。
で、やってきた木臼島。その向こうは臼島。海上では1/50,000に印刷した地図の文字がつぶれて「白島」かと思っていた。臼島だそうだ。
臼島にタッチする前に木村島へ。ちょびーっと雨が降ってきたが強くなることはなかった。
臼島をかすめてIHPをプラスして、箕島へ。
臼島と箕島の間にもうひとつ島。こ、これでもIHPプラス!?一応水に囲まれていれば島らしいのだが・・・。
お次は美加子島。誰かの名前をつけたのだろうか?
そして長島。大崎上島と橋でつながっている。大崎発電所があって、臼島を経由して送電線が竹原へ続いていた。さすが詳しいたきびさん、石炭を燃料とした発電所と教えて頂いた。
長島にタッチしたあと引き返す。これは帰ってから調べたのだが「孤立障害標識」だそうで、ここに浅瀬でもあるのだろう。てっぺんの丸いのが変わってると思ったが浮標式のトップマークなんだそうな。それぞれ意味があるらしい。
早いペースで折免島に到着。よこっちょに小さい島がついていた。このへんの島は上陸できそうな浜が多い。
もはやIHPを貯めるだけのためにお次は箱島へ。
たくさんのサギ。まさしくサギ集団である。なんかコロニーがあるなぁと思いながら近づいていくと、なんとその下から大量のウミウが飛び立った。サギとウミウが共存していて、そしてウミウの方がデリケートらしい。
さぁ次はポイント2倍!の二子島!
これは何か作業小屋でもあった跡なのだろうか。
復路を漕いでいくその間にフェリーが何艘も発着していくのが見える。手前が白水港で奥が垂水港。需要ある航路なんだろうなぁ。
このちっちゃい桶島は上陸できる浜も完備。
これは竹原港~生野島~白水港と往復するちいさいフェリー。生野島の西側に寄港するので他のフェリーとは航路が違う。
こちらは鍋島。大崎上島と堤防でつながれている。おかげで潮流をせき止めることになっていて、島の先端部は流れが強い。
垂水港でちょうどフェリーがやってきたのでしばらく待機。
さてここからは帰り道。往路のようなフェリー航路横断はやめて、ちょっと遠回りでも安全な方へ行くことにした。
堤防でつながれて養魚場を作っている小琴島・大琴島を通り過ぎ、遺構を眺めて佐組島へ。
こちらは佐組島の採石場跡。このまま朽ちていくだけなのだろうか。写真に写っているバスだけじゃなくてパジェロっぽい車も放置されていた。
大三島と大崎上島の間を見渡せる佐組島の東側まできて、南側からの船舶に注意しながら唐島へ横断。
おっそい浚渫船が阿波島との間を通過しようとしていたのでしばらく待った。その間に眺める竹原方面。竹原の奥からなにやら白いもやが海に流れ出ているような雰囲気。契島の煙突からの煙は低く竹原方面へたなびいていた。
じりじり近づきながら浚渫船の通過を待って、阿波島へ到着。西海岸沿いを漕いだ。
島伝いに行こうと思ったけれど、途中は大量のジェットがブンブンだったのでまっすぐ海水浴場を目指した。
たきびさんと充実した二日間を振り返り、コーラで乾杯して海水浴場をあとにした。たきびさんのおかげで行きたくても行けなかったところへやっと行けた。またひとつ吹っ切れて自信ができた。練習の成果がいよいよ実を結んできたような気がする。いやいやたぶん世の中にはまだまだハイレベルな世界があるので、きっとこんなもんじゃないのである。
というわけで、今回巡った島は、生野島、生野島の湾の中のちっちゃい島、船島、木臼島、木村島、臼島、臼島の横のちっちゃい島、箕島、美加子島、長島、折免島、折免島の南のちっこい島、箱島、二子島その1、二子島その2、桶島、大崎上島、鍋島、大琴島、小琴島、佐組島、唐島、阿波島。であってるかな?
ちなみにIHPとはアイランドホッピングポイントである。いくつかは行ったことがある島だったけど、この日だけで20ポイントくらい増えてしまった。
大崎上島の北側はとてもすぐれたシーカヤックフィールドといえるだろう。でもやっぱり初心者を連れてくるのは難しいかも。航路を横断するのを避けるなら、潮流の早い結構長い海峡横断が待っている。ていうかそれだから今まで来れなかったのだ。そういうもう初級者卒業のつもりでいる今が一番危なかったりして。
この的場海水浴場は近々海水浴シーズン突入で車が入れなくなるので、これがたぶんラストチャンスである。来週もいけるとは思うけど、もう海水浴客も増えてきているので気が引ける。次は秋以降に!
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