8/1~3 八島・平郡島
8/1~3は、moujiさんと八島・平郡島へシーカヤックキャンプツーリングへ出かけた。
念願の八島渡り、やっと達成!と一人鼻息が荒かった。フンッ
総距離60.48km。
八島は海がきれいだとカズパパに聞いてから何年経っただろう?当時はあんな遠くの島へ、しかも大型船の通過する航路を横断して漕いで行けるなんて夢にも思わなかった。その頃は、15kmも漕いだらなんてたくさん漕いだんだろうと感慨にふけるくらいだったと思う。
エキスパートなCSCの皆さんに航路横断を含むツアーを何度も何度も経験させてもらって、航路と大型船と潮流を判断する力を少しずつつけたつもりで渡った初めての平郡。航路横断は自分の判断で間違いなく行けた。しかしその時は風と波にやられてドキドキしながら帰ってきた。このあたりは風が吹くとすぐに荒れるところだとよくわかった。風向きが違うからと渡った2度目の平郡も、これまた波立ってきて、あわよくば行こうと思った八島もあきらめ帰ってきた。でも、その時波の向こうに見た八島の影に、また思いを強くした。
今度は天気図と風を勉強して、毎日のように八島灯台の風速と天気図を見比べて、この3日間なら大丈夫とふんで、moujiさんに「決行しましょう」とメールした。今回は一人じゃないうえにちょっとツアーリーダー的な感じだったので、予想が外れないか、無事にmoujiさんと帰ってこれるかとずっとドキドキしていた。
そして待ち合わせして迎えた朝は、夜半から降り続いた雨がまだまだダーッと降っていた。でも雨はあがるはず。出航地で、霞む平郡を眺めながらmoujiさんの張ってくれたタープの下でしばらく待った。そのうち予定通り雨が上がり、靄も晴れてきたのでいよいよ出航。って前置きがすごかろー。
もうここ数日ほとんど風が吹いていないこのあたり。ベタベタ凪をすべるように漕いでいった。moujiさんは速いので追いつくのが大変だけど、あまり無理しないことにした。
早速待っているのは平郡水道の航路横断。いつものように、陸間最短の上荷内~平郡赤崎を行った。結構往来が多いこの航路だが、なかなかよさげなタイミングだった。しかしふと振り返ると、数分前に渡った上荷内と法師崎の間を大型船が通っていった。ここって、航路だったのか・・・?今まで何度も漕いだが一度も見かけなかった。さっき渡るときも船の気配はなかった。こういう航路外通行もあるからいつでもどの方向も見てないといけない。いつの間にか近くにきてびっくりしたとか相手に避けさせたりしちゃダメなのだ。
右側通行を守らない、どこからか迷い込んだかのような船が一隻。こういうのはまっすぐ進まず航路に戻ろうとして突然方向を変えることがあるので注意。今回は前を通り過ぎたあと右側に戻っていった。数隻の船をやり過ごして、平郡へ渡った。
一応下げ潮に乗って行けるつもりでこの時間だったのだが殆ど感じられなかった。しかし後からGPSの軌跡を見てみるとやはり潮流の影響はあったようだった。
とろんとした海面のベタ凪の海を漕いで、そのまま平郡の西側を回りこんだ。
回り込むと、ドーン・ババババーンとバックミュージックが流れて、八島が現れた。遠くてまだ輪郭しかわからない八島も、今回はどうやら受け入れてくれるようだ。やっと辿り着ける!とちょっと興奮気味なのだがmoujiさんはそうでもないようだ。
もう転流して上げ潮になっている。これは予定通りで、というのもこのあたりは平郡のフェリー以外は大型船が通るわけでもないし逆潮でもあまり影響ないと思っていたが、やはりスピードが伸びなかった。もっと早めの出発にすればよかったかなぁと思いつつも朝は雨だったのでどうせ逆潮だったんだとか自己完結しながらまったり潮に立ち向かった。
4kmちょっとを1時間かけて進んだことになるが、ただの影だった八島が徐々に風景になってきて、一人で鼻息を荒くしていたので割とあっという間だった。
八島ぁ~!やしまやしま!海の底までくっきり見える!魚がウオウオ!ウォー!!すごかろー!!
八島のキャンプ場跡地へ上陸して、とりあえず昼食ということにした。
キャンプ場は営業終了とは聞いていたが、ここまで誰もいないとは思いもしなかった。さすがにこの季節、多少は人出があるだろうと思ったが・・・。
ごはんを炊いて、レトルトカレーの昼食。ハチやアブが多かった。moujiさんによると、もう施設が取り壊されるのを待つばかりだそうで、既に水も出ない。
昼食後マッタリしたら、島一周に出航。南へ漕いでいくと集落が見えてきた。
この島はほとんど手付かずの自然が残っているようだ。断崖絶壁が荒々しい。断崖絶壁ファンにはタマラナイ。
突然バックミュージックがちゃりらりらーと流れたかと思ったら、幻の滝が現れた!幻かどうかは知らんけど。すごかろー。
南の端には八島灯台。前述のように、八島灯台の風速には大変お世話になった。北風はさすがに風裏になるので測れないだろう。
そこから北東方向へは上げ潮に乗ったが、大きな湾のあたりからは逆潮になった。平郡との間で大きなエディになってるのかな?
途中からその反転流を使うべく岸沿いを行って、北端まできた。この日は約30km。結構漕いだ。
結局キャンプ場の浜にテントを張って、夕食。ゴーヤチャンプルーをCook Doのモトを使って作ってみた。ゴーヤ・豆腐・豚バラ・卵を追加してできあがり。なかなかうまかった。moujiさんに頂いたゆでとうもろこしもうまかった。ビールが進んだ夜だった。
2日目の朝。上関長島や平郡は霞の向こう。夕食にちょっと食べ過ぎたので目玉焼きとウインナーだけの朝食にした。
ちょうど9時ごろ、霞が晴れた頃に出航。波のない海をつらつら漕いでいった。
途中にぽっかり浮かぶハンドウ島を目指す。
こんな孤島にも釣り人がいた。
平郡西の集落へ上陸してみることにした。じっちゃんばっちゃんに話を伺うと、店はあるらしいのでmoujiさんとつらつら歩いていってみた。どこにあるのかさっぱりわからなかったが、裏通り?を歩いていると店らしきところハッケン。僕はビールを追加してみた。予定より消費したので・・・。そしたら取れたてというナスやピーマンを頂いた!うひゃっ
いい天気。時々体を冷やしながら漕いでいったら、こっちにもまた幻の滝が!
とろ~っとした海を漕いでいくと、遠くに見える八島を眺めながら、八島の名前の由来を考えた。
前にこの景色を見たときは遠く遠くに感じたけれど、今ではなんだかすごく近く感じる。あの島へ行ってきたんだなぁ~。途方もないことだと思っていたけれど、たくさん練習して勉強して準備してるとそのうち行けるようになるもんだ。なんだか自信になった。行ける人はパパッと行っちゃうんだろうけど、僕の場合は認定機関が厳しいのでなかなか八島ツアー資格を取得できなかったのだ。
風と波にどきどきしながら見て回った断崖絶壁も、今回はゆっくり眺めることができた。凪ってスバラシイ。
五十谷三島(いやみしま)の風景がだんだん近づいてきた。西から南回りで来るのは初めてなので、この三島が近づいてくる感じは新鮮だった。
五十谷海岸へ到着。15kmちょい。浜ではなにやらカヌーをしている。「平郡海の学校」のリーダー研修だそうだ。
実は頂いたナスがかぶったので、昼食で消費したい。というわけで、昼食はナスカレーにしてみた。うまかった。
しばらくすると研修の方々も撤収されて、海水浴らしき皆さんもいなくなり、静かな浜になった。
2日目の行程はこれでおしまい。以前来た時は練習どころじゃなかったので、今回はゆっくり漕ぐことができた。きれいな海でひっくり返ると気持ちいい!練習中の左ハンドがポチポチあがるようになってきた。moujiさんはストイックだなんて言うけれど、楽しくてやってるので全然そんな感じではアリマセン。
裏側で泳いでみた。少し冷たい水が入ってきていた。魚がちょろちょろ泳いでいた。ちなみに三島の先は潮流が早いので子供たちは遊泳禁止とされているそうだ。
moujiさんが散策していたのでついていってみることにした。鳥居の奥に階段があった。
地元の人が大切にしている明神さま。
そこからの眺め。いい天気。
三島の奥へ歩いていくと、トゲトゲした岩質の不思議な光景。
違う種類の岩がバッテンを作っている。ペイントされたのではなくて、そこの地層だけ岩の質が違うみたい。平行なだけならわかるけど、どうやったらこういう風に十字になるのか考えてもわからなかった。神様のバッテンと名付けた。
今度はバウデッキにカメラを装着して再び漕ぎ出した。なんだかレンズの内側が曇ってきて残念な結果に。このカメラもそろそろ寿命かもしれない。とりあえずCPC動画。何やってるかさっぱりわからないうえにキタナイオッサンが映るけど勘弁してくださいませ。
続いてスローシャフトロール。できるだけゆっくり!
それからロールだけじゃなくて、三島の先に潮流波ができていたのでちょっといってみた。波は大したことないし、長いわりに何もない動画になってしまった。でも戻るのが結構大変なくらい流れていた。
他にもいろいろ撮ったので、ネタに困ったときに徐々に載せることにします。
日が傾いてきた頃上がって夕食。毎度お馴染み「キッコーマンうちのごはん」から今度はなすのみぞれ炒め。ナスを2本にして、昼に頂いたピーマンを代わりに投入。しょうゆ味で和風だった。
moujiさんとカヤックとか気象の話から地域のコミュニティの話やゴミ問題・地球温暖化の話まで?!いろいろ話しながら夜が更けた。雲の間から月が浜を明るく照らしていた。
3日目。若干風がある。その分視界はくっきりはっきり。昨年も会ったおじさんがやってきて、この日の風のことなど話してくれた。
ゆっくり(moujiさんをお待たせしながら)準備して、出航。きれいな海に漕ぎ出した。
三島を回り平郡東の集落の方へ漕いで行くと、途中でフェリーが追い越していった。向かい風なのでスピードが伸びないが、向かい風は登り坂。ローギアの軽いパドリングにしてゆっくり進んだ。
下げ潮なので、そのまま追い潮に乗って掛津島へ渡った。でも追い潮っぽい感じはしなかった。風の影響か、波は50cmほどあった。
掛津島の前で休憩したあと、一気に航路横断。下げ潮だと上荷内・下荷内から出てくる潮流にぶつかる。ちょうど視界に入る大型船が全くないし、下げ潮なのでスタート地点に近い西に流れるはず・・・ということで、ちょっと横断距離が長いが掛津島から渡ることにした。目標物を見て進むと円弧を描いてしまうのでモッタイナイと思って、コンパスを0度に合わせて進めた。
全然流されている気がしなかったが、あとでGPSの軌跡を見てみると磁北線の分を差っぴいても西に流れているのがわかった。
上荷内と沖家室を結ぶ線まで渡ると横断完了。通過して片付けているときには大型船がどんどんやってきたのでやはりたまたまよかったみたいだった。
そこでスパゲッティで昼食。水をたくさん使うので、最終日の昼に水が余った時にはスパゲッティということにしてある。ご飯と違って鍋を洗う手間が少ないのも最終日の昼にはちょうどいい。すごかろー。
その後、盛り上がってきた積乱雲を肴にmoujiさんとコンビニでノンアルコールビールで乾杯。近い竜崎温泉は月曜休館なので、移動して由宇温泉でひとっぷろ浴びた。ヒゲも剃ってきれいになった。そこでmoujiさんとはお別れして、くろさんに用事があったので錦町に行ったらなんとそこだけ豪雨。さっさと帰ろうと美川町まで戻ると道路が乾いていた。すごかろー。
おかげさまでいいツアーになりました。moujiさん、ありがとうございました。
八島・平郡島シーカヤックツーリング at EveryTrailMap created by EveryTrail: Share and Plan your Trips
今回の行程図。こうして客観的にみると潮に流されたのがよくわかる。
コメント
お疲れ様~!
噛み締めるように(?)振り返った3日間のレポートですね~。ボクにとってはただの遠くの島ですが,Qちゃんには念願の!!なんだよね~。ポーカーフェイスでどこでどう喜びを表してたのかわかんないけど,そういえば,ときおり,後からの荒い鼻息が聞こえてきましたね~^^
帰りの航路渡りは,かなり潮に流されてたんだねえ。わかんないもんだね~。
『EveryTrail』ってのもおもしろいね~!こんなにマメにまとめられないけど,いろんなところと連動させられるので,使える人には楽しい機能だねえ。
今回は,大切な企画にちゃっかり乗らせてもらっていい経験ができました。Qちゃんと漕ぐと,経験値がぐ~~~んと上がるんだよねぇ。なんやかんや含めて楽しかったですわ。ありがとう~!
お世話をおかけしますが,またご一緒させてくださいませ。今度は,もう少し,念願!!を分かち合えるように事前に準備しておきます^^
風や潮流、航路なんかを計算しながら漕ぐ。大事なことだとわかっていても中々大変そうです。安全確保のために欠かせないとはわかっていますが、うーん。
写真を拝見すると、とても水がきれいですね。滝だけでなく、夏満喫な写真が多くてGOOです。
ふと思ったのですが、すれ違う相手の船(漁船、フェリーetc)には、こちら側のカヤックって見えてるんでしょうかね。
moujiさん
この旅(?)は大変お世話になりました。
>後からの荒い鼻息が
あまりやりすぎると鼻クソが飛び出すので控えめにしておりました!
>かなり潮に流されてたんだねえ。
そうなんですよね。コンパスに合わせててバウの先があまり変わらなかった気がするのですが。
>『EveryTrail』ってのもおもしろいね~!
GPSのトラックと写真の時間を勝手に合わせて配置してくれるので、写真をアップするのが面倒くさいくらいでカンタンポンですよ。
>またご一緒させてくださいませ。
こちらこそよろしくお願いします。
近いうちfusaiさんも誘ってキャンプに行きましょう!
fusaiさん
>大事なことだとわかっていても中々大変そうです。
一度に全部っていうのはなかなか大変ですけど、とりあえずそんなこと考えなくてもいいところばかり漕いでた時間が長かったので、その間にちょっとずつ見えてくるようになった気がします。
>とても水がきれいですね。
ホント、これが瀬戸内かっていうくらいきれいでした!
>こちら側のカヤックって見えてるんでしょうかね。
どうなんでしょうね。レーダーとかでよく見えてるかもしれませんけど、あっちに発見してもらう工夫をしてあっちによけてもらうんじゃなくて、全く見えてないと思ってこっちで対処した方がいい気がします。