3/5 大山

 人生初の冬大山登頂。どれもこれも誘って頂いたshindyさんのおかげ。shindyさんを紹介して頂いたmoujiさんのおかげ。天候にも雪にも恵まれた、何もかもアタリな7.4km!

 夜の大山寺。しとしと静かに雪が降り続いていて、明日は登れるんかなと心配をしていた。ラッセル大変なんじゃないかって。

 ところが、そこは中国地方の最高峰。暗いうちからたくさんの人が上がって行き、僕らが出発した朝7時にはすでにしっかりラッセル済みでトレースを使わせて頂くことができた。なんとありがたい。

 大山は、まだブログも始める前に何度か夏に登った程度。冬の大山の恐ろしさを聞くと近寄る気さえも起きなかった。

 その後、もうかれこれ7~8年前になるだろうか。恐羅漢で出会ったテレの方に大山へと誘って頂いたのだけど、技術的に無理と判断して遠慮させて頂いた。それ以来その方達とは出会ってなくて残念なことをしてしまったのだけど、でも今考えればあの時行かなくてよかったとも思う。

 昨年の春、Fさん夫妻に奥大山に連れて行って頂いて、次第に近づいてきた大山。その記事でも同じようなこと言ってるな。レベルに合わせて、とか。そして今年、やっと解禁した。そうは言ってもまだまだなのは十分知っているのだけど、まだまだの中にもいろいろあって(略)

 ともかく、国際オレ格付け機関が「行ってもダメに決まってる」フェーズから「行ってみなくちゃわからない」フェーズへ移行したと宣言したのだ。なんのこっちゃ

 きっかけはコブ練習だった。コブを滑るには整地での基本ができてないといけなくて、それを練習したら今までできなかったことができるようになった。荒れた海でロールをするにはまずは静かな海でできないといけないみたいな?まだコブを云々言える段階ではないけれど、それでも大きな一歩だったと確信している。

 あの日あの時あの場所でmoujiさんに会わなかったら僕はいつまでも登らぬゲレマーカーのまま。そしてこの日案内して頂けることになったshindyさんにも会わなかったのだ。

 それでも最初に声かけてもらったときには「行けますかねぇ」なんて弱腰だったことはナイショにしておこう。ともかく行ってみないと行けるかどうかなんてわかんないやってことで、今回は参加させて頂くことにした。小さな一歩だが、オレ的には短い足を頑張って伸ばした大きな大きな一歩なのだ!

 なんてつまらぬことを考えながら、一歩一歩足を前に出す行為を延々繰り返していくと、五合目に近いところで徐々に北壁が見えるようになってきた。それにしても何なんだろう。shindyさんに全く追いつけない。ふつうに登山しててもそんなに遅い方じゃなかったはずなのに。

 誰かが掘り出した五合目の道標。3月にしてこのさらさらの雪。

 振り返ると弓ヶ浜。どうよこの景色。数歩ごとに振り返ってにやけてしまい、あまりペースも上がらない。いや、ペースが上がらないことを景色のせいにしているわけでは・・・。

 森林限界を越えたら、あとはずっと北壁を眺めながらの登高。

 六合付近でピットチェック。shindyさんがやるのを見るだけじゃなくて自分も・・・と掘った。むむっ・・・。結果は・・・

 ハッとする美しい峰を一歩一歩登っていく。まだ足元がふかふかな雪だからこうして余裕があるのだろう。ガチガチだったらもうビクビクして下ります宣言していたかもしれない。

 七合付近で再びピットチェック。shindyさんに命を賭けて沢筋を2箇所チェックして頂いた。

 とりあえず山頂まで行くことにしていたので、さらに高度を上げる。もうこの頃には下りてくる人さえいた。

 山頂台地付近に到着。下界を見渡すshindyさん。この人ならわずかな時間で下界まで下りるに違いない。いや、僕にだってわずかな時間で下りられるが二度と立ち上がらないかもしれない。

 ここからはザックの板を下ろしてシール登高に切り替える。

 独立峰ならではの景色。遠くまでよく見える。地球は青かった。

 本日の前菜『極太伯耆海老の尻尾~大山の風に吹かれて~』的な

 山頂小屋到着。入り口はふさがっていたようだ。

 とりあえず一番高いところへ。とうとう来ちゃったよ。冬大山の山頂へ。っつってもシロウトは本当の弥山までは行かなかったけど。

 亀裂が入って崩壊間近の雪庇。駐車場にも警告文が掲示してあった。あれが崩壊すると大変なことになるらしい。

 吾妻山がすぐにわかった。ってことはアレが御陵で立烏帽子山で・・・ってあのあたりは理解できた。道後山・岩樋山もわかった。最初の頃は山座同定なんて地形図とコンパスで一生懸命やるもんだと思ったけど、いつの間にか覚えるもんだ。僕くらいの登山ペースでもわかるようになるんだから。

 小屋の近くで昼食後、せっかくなので山頂まで板を持って行って、そこから滑走。山頂台地はあまり滑らなかった。

 登山道沿いを滑るわけにはいかないので、トラバース・・・これが恐怖で死ぬ思いをしたのでそこでビビってしまい、僕は板を担ぐことにした。

 shindyさんは最後にピットチェックしたところから滑走開始。見ていた登山者さんたちから歓声が上がる。華麗なターンをキメるshindyさん。カッケー!

 さっきのピットチェックのトレースがほぼ埋まっているのわかります?降雪なくてもすぐ埋まるんだねぇ。

 僕の技量ではここからの滑走は無理と判断。しばらく歩いて下りることにした。笑われてもいい。安全に下りることが大切なのだ!ていうかこの高度感こえーーよー

 恐怖を克服するのには、度胸もあるだろうけど、地道な練習と確かな技術の習得が早道なのだ。また出直してくる!

 ずいぶんお待たせして下ったあとで、エントリーした。ずいぶん下ったにも関わらず相変わらずの急斜面(当社比)にビビってターンもままならないが、思い切ってやってみると意外といけた。自分の技術と現実とのすりあわせ。こういうとこは経験積まないとどうしようもない部分。このくらいの技術ならこのくらいの斜度でこのくらいの雪でイケまっせ、というデータを大量に蓄積するのが経験という作業なのである。しらんけど

 shindyさんマジカッケー!このえーおとこっぷりをもっと表現できるカメラとウデが欲しくなる。

 ワシも撮って頂いた!体が見えなくなるくらいの雪煙に囲まれるのって、雑誌とかカタログのイメージ写真でしか見たことないけど、そのなかに出演しちゃうなんて!家宝キター!

 前日ゲレンデで滑っておいて本当によかったと思った。そうでなければ1ターンもできないうちに下っていたかもしれない。

 元谷から北壁を見上げる。下るのはあっという間だ。

 一番左がオレシュプール。オレ的にスゲー。今年は一体何なんなん。今シーズンの初めにはこんなこと予想しなかった。ていうか先週でさえ予想してなかった。何か悪いことの前兆なのか!?

 余韻にひたりながら元谷を下って大山寺。板を担いで歩く。

 大山寺でお参りしてからとぼとぼ歩く。無事に生きて帰ってきた。shindyさんと握手。

 途中の道路から見上げる。雪煙を上げていた。山頂は風が強いのかな。

 温泉街へ出て入浴したあと祝勝会?!ということで焼肉!たっぷり食べた!

 それにしても最高な日に誘って頂いてありがとうございました。感謝感激です。素晴らしい大山デビューだった!これをチョー・ヨユーで滑れるようになることが目下の目標だな。目指せ!おまたせしないオトコ!

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