11/02 大台ヶ原山
紀伊の名峰を散歩する、題してきい散歩。笹原に立ち枯れの風景を見に、大台ヶ原山へ行ってみた。
大台ヶ原ドライブウェイを通ってやってきたのは標高1573mの大台ヶ原ビジターセンター。山頂が1695mなもんで、登山と言うのも憚られるほど。
大きく分けて西大台と東大台のエリアがあって、西大台はなんと事前に郵送などで申し込みをしないと入れない有料エリア。そんな計画的犯行を行うのはなかなか難しいので、今回は入りほうだいの東大台のみなのである。
そんな具合でちっとも歩いた気分にならなさそうなので、苔探勝路という寄り道コースから行ってみることに。
鹿よけゲートをくぐって入ると、寄り道コースだけあって、いっぱいの駐車場から想像もつかないほど人がいない静かな空間が広がった。
こけコケ苔。これでもずいぶん少なくなったみたいだけど苔という名のミクロの森が広がっていた。
メインルートに出てくると笹原。笹の繁殖力はものすごいようだ。
道は快適。もう公園とか遊歩道っていうレベル。アップダウンの少ない道をすいすい進む。
最高峰日出ヶ岳への道と周回ルートの分かれ道。まずは日出ヶ岳へ登ってみる。
展望デッキが用意されていて、たくさんの人が休憩している。
遊歩道になっていて、こんな木製の階段をもくもくと進む。っつってもT字路から標高差40m程度。
もうこのあたりから立ち枯れ感たっぷり。
振り返って見るのは正木峠というあとから行く丘。
木道をちゃっちゃかちゃっちゃか登って行くと・・・
じゃじゃーん!日出ヶ岳山頂。展望デッキ完備。
デッキから来たルートと正木峠方面。
ふと見上げると幾重にもなった日暈(ひがさ)。
山頂を堪能したら、元にもどる。木道階段と正木峠。
正木峠から。雲がだいぶ低いところにもくもくと。
この辺一帯がザ・大台ヶ原って感じ。
でもこんなになっちゃったのは伊勢湾台風が原因なんだってよ。それまでは原始の森だったらしい。だからココ数十年の話だそうな。
伊勢湾台風が来る→森林倒れる→地表明るくなる→笹栄える→シカ大喜び→樹木食う→枯れる→あとループ、ってことになってるもよう。
何億年っていう歴史の中で、こんな風にころっと変わっちゃうことってそんなにないんじゃないかな。それとももしかしたら数十年・数百年毎に入れ替わってるのかな。
その辺の解明はタイムスクープ社にお任せするとしよう・・・。
大台ヶ原の数億年の歴史を変えちゃった伊勢湾台風って考えるととんでもなくひどかったんだろうね。
繰り返される歴史のうちの最新版が伊勢湾台風ってことだったのかもしれないけどね。
立ち枯れた木々が朽ちて土に還った頃にはただの笹原になってるのかな。
日暈にひこうき雲。太陽がそこで飛行機がそこで影がそこだから、その影が映ってる薄い雲は飛行機より手前側ってことやね。
セントレアが近いからかね。飛行機たくさん。
正木ヶ原という平坦なところ。ここでは職人さんが鹿よけネットを張る作業をしていた。屈強な男たち。
正木ヶ原は立ち枯れ感はないけれど笹が繁殖している。
この辺は既に駐車場と同じくらいの標高なのです。
道幅が広くなり明るいところに出てきた。牛石ヶ原。
神武天皇の像がある。
この辺道が広いのはいいんだけどそのせいか団体さんが通路でメシ食ってっから行きたいところに行きづらくてつらい。
そんでこれが牛石。
鹿の食害のあと。鹿が増えすぎた以上にニンゲンが増えてるのも一因なんじゃないかなぁ。
大蛇ぐら(なぜか変換できない=山冠に品)っていうスポットの象徴的なピーク。
深い谷を挟んだ向こう側に・・・滝が見えますか?
ココココー
もひとつこちら・・・ヒトが見えますか?
ココココー
大蛇ぐらを見学したら、ここからなんと沢筋へ下っていきます。もうこれは登山じゃなくて下山です。
ここらあたりは立ち枯れの木がない。
笹の勢力も弱まってるし。木の種類が違ったりすんのかな。
シオカラ谷に降りてきた。ここが最低地点。
紅葉も終わっちゃってる感じだけど、清流を眺めて一息つく。
吊り橋を渡ったら、最後の登り。
最後のクライマックスが登りっていうのはなかなかないよね。
快適な広い道をゆっくり登って行き、平坦になったところでゴールが近いことを知る。
駐車場は大混雑。バスがたっくさん並んでて、出発時よりものすごく多いようす。
片付けしてドライブウェイを下って行くと、かなり下の方まで路肩駐車が行われていた。今回は前泊でやってきたのでラッキーだった。朝だったらまるで登山みたいに駐車位置からたくさん登らないと行けなかったかもしれない。
下山後の寄り道スポット、くらがり又谷の滝。
小処温泉で汗を流した。
夜は、ちょっと足を伸ばして紀伊半島最南端の方面へ。そして和歌山観光へと続く。