含め
日本語の使い方がおかしくなってきたっていう話はよく聞きますが、言葉は生き物というわけで別にいいと思っています。勝てば官軍、広まれば日本語?
でもちょっと気になるザグザグな日本語、「含め」。「ほげほげを含め検討致します」「ほげほげを含めて対応していきたい」っていう風な言い回し、政治家や批判の的とされた方々を含めてあちこちでよく聞くようになった気がしますが、いかがでしょうか。
Google先生に「含めて 検討」というキーワードで聞いてみると、1,680,000件もヒットしました。もちろん、この使い方ではないものも含めてヒットしているとは思います。というわけで、「"含め検討"」とダブルクォーテーションを使って限定してみたら、192,000件ということです。上位に表示されているのは「撤退も含めて検討」「見直し含め検討」「法改正含め検討」「法整備含め検討」「提訴も含めて検討」「打ち切り含め検討」「新設含め再検討」「廃止も含めて検討」と、ニュース記事が並んでいます。
「○○含め検討」の○○に当てはまる言葉は、およそ最悪の事象の場合が多いようですね。弱い立場の人が言う場合(撤退を含め、見直しを含め、廃止も含めetc)は、「できれば○○はしたくないんだけど、○○しないのか?とツッコミ入れられるし、○○って言っておけば責任持って考えているっぽいでしょ?でもまだ何も考えてないの~」という感じでしょうか。逆に強い立場の人が言う場合 (提訴も含め、控訴を含め、上告を含めってこんなのばっかり)は、「アンタらの対応如何によっては○○しちゃうかもしれませんよ、いいんですね?」という脅しの感じ。できることならやめてほしいと思われることをあえてちらつかせるために使っているように見受けられます。しかしニュース記事のタイトルに多く使われているってことは、この言葉を発した本人の気持ち、「本流ではないけど一応いれとく」という気持ちとはウラハラに、記者はそれをメインに置いて大げさに記事を書いているようです。
この言葉、私はまだ違和感あります。そのうち浸透していくのだと思いますが、って浸透していないのは私だけかもしれません。多くの人には既に浸透していて、「○○も検討してくれるって!」ってな具合にしか思っていないのかもしれませんね。しかし日本人が大好きな曖昧さ、グレーゾーン、どっちつかず、引き伸ばし、先送り、そんなウラが見えてしまうのです。だってほら、検討項目に含めるだけならカンタンです。重要なのは結論です。だけど、含めたけど検討しなかったっていうのが殆どではないでしょうか。検討し終わった結果が出る頃には多くの場合記者も興味を失っていて聞くことができないでしょうし、喉元過ぎれば誰のツッコミも受けずに葬り去ることができてしまうのです。今を乗り切るための便利な言葉になってるんではないでしょうか。
でも例外もありましたね。「打ち切り含め検討」はあっさり実現されちゃいました。でもこれの場合は含める含めない以前に検討すべきはこれしかなかったと思いますけど。ね?
今後、ラブマシーンはいいけどウムマシーンはダメなことを含め検討していきたいと思います。
コメント
春になったらスパルタのロール練習にたえることも含めスナック橋の下開店を検討いたします。
とりあえず風邪も含め治してください。
前向きに検討いたします。
後ろ向きも含めお願いいたします。
真ん中のエボナイト棒のスプラッシュ現象も含めて、夏合宿について検討をお願いします。
熱膨張のホワイトウォーターロデオも含め、今年もまた南桑の予感です。。。