なぞりテロップ

 最近テレビで過剰にテロップが出ますよね。Wikipediaでは「なぞりテロップ」というコトバで出てました。初めて知りました。


 それで最近気になるのが、実際話しているコトバとは違うテロップが出ることがしばしばあるということです。いいそこまちがいの訂正だったり長文の要約だったりすればまだわかるのですが、意味のないようなコトバの置き換えのこともしばしばあります。

 その中でも特に気になったのがひとつ。時の内閣総理大臣が「総理としてうんたらかんたら」と言ってるのにテロップが「首相としてうんたらかんたら」となってたんです。なんなんですかね。どういう意図で発言と違うコトバにしちゃうんでしょうか。ちなみにこの辺のコトバについてはこれまたWikipediaの内閣総理大臣に詳しく書かれていました。インターネットってすばらしいですね。

 他にもかっこ書きで勝手にコトバを補完したりすることもよくあります。バラエティや情報番組はまだいいと思うんです。演出なんですから。やりすぎ感はたっぷり感じてますけど、それは多分私が時代に追いついていないだけ。でも、最近は報道を名乗る番組でも非常に多く使われていますよね。それって、「情報を正確に伝える」ということになるんでしょうか。言外や行間を勝手に解釈して決めてしまうことって、話者の意図を歪めることにならないんでしょうか。

 言葉尻を捕らえることばかりますます執着しちゃって本当の議論にたどり着けないってことはよくありますが、この多用テロップも原因のひとつになってるんじゃないかな。あえてその言葉を使った意図や背景、それらを考える力が奪われているというか、いや、そんな部分はあえて無視してるような気さえします。まぁそういう宿命なんでしょうかね。だって何時間も熱く語ったところでわずか数秒に編集されて全国に放送されちゃうわけですから。都合のいいワンフレーズさえあればそれでいいんですよね。

 本当は、実際に自分の耳で聞いて自分の目で見てその場で感じて、それでやっと物事を語る権利を得るんでしょうね。それ以外は全部推測や憶測。まぁそんなことも、でしょうとかじゃないかなとか、そんな言葉を並べてる文章に言われたくはないかな。

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